病は気から。
先日の日本語の授業でのこと。この初級クラスでは最初に漢字の指導をし、その後通常のテキストを用いたレッスンに入る。その漢字指導で出てきた「病」という言葉。「病気」「病院」という言葉は彼らにもなじみがあるし、「気」という漢字はすでにならっているので入りやすい。問題は訓読みの「やまい」。「やまい」という言葉自体、日常で使わないよね。母がよくガンのことを「死にやまい」なんて言葉で表現していたけれど、それ以外では「やまいは気から」ということわざぐらいでしか聞いたことがない。あとは「やまいだれ」「恋のやまい」ぐらいか。まあこのレベルになったらことわざの一つや二つ覚えていてもいいかと思い、「病は気から」の読み方と意味を導入。英語ではWorry is often the cause of illness.Illness originates in the mind.The mind rules the body.といったものがあるようだ。ことわざというものは面白いもので、国や文化や言葉が違っていても本質的なところで同じだったりする。もちろん彼らも「やまいは気から」の意味はよくわかると言っていた。そして通常のレッスンへ。今日のお題は「どうしたんですか。」「お腹が痛いんです。」「無理しない方がいいですよ。」「休んだほうがいいですよ。」「薬を飲んだほうがいいですよ。」「薬を飲んできます。」と言った流れ。まずは「どうしたんですか。」を引き出すために、腹痛のふりをする私。しかし…なかなか「どうしたんですか。」が出てこない。「大丈夫ですか。」「お腹が痛いんですか。」は出てくるけど…。「もっと他に言って~。」と、ジェスチャーで示し、私はまだ腹痛のふりをしていた。すると紅一点のNさんが「先生、病は気からですよ。」って…一本取られました~!