新人賞を受賞した後の流れ
ライトノベルに限らず、作家デビューするには新人賞を受賞しなければなりません。
最近はネット小説やモバゲータウンの小説、ボカロ小説などの
例外デビューもありますが、その後の流れは同じです。
担当編集者から受賞の連絡が来る。
「○○編集部のAです。(作品名)の著者の○○様でしょうか?」
↑は一例ですが(昔のことなので記憶が曖昧です(;´・ω・`))
受賞すると、まず担当編集者から電話で連絡がきます。
電話に出られない場合はメールアドレスに連絡が来ます。
(連絡つかないから取り消しというのは相当なことがないとありません)
連絡が来るタイミングは、最終選考に残った時。
そして受賞した時です。
受賞の連絡が来た段階で、作家デビューが確定します。
作家になる夢が叶う。まさに一番嬉しい瞬間です。
(プロになってからも大変なんですが、素直に喜びましょう)
公式の発表があるまで受賞したことを公開してはいけません。
言うと怒られます。1ヶ月くらい我慢しましょう。
最終選考で落ちてしまっても、
担当編集者がついて拾い上げという形でデビュー出来る場合もあります。
ただ、その場合は受賞のハクがつかないので、注目度はやや下がります。
編集部を訪問し、担当編集者と顔合わせをする。
折り合いのつく時間を伝え、編集部へ行きます。
編集者は基本的に土日休みなので平日の訪問になりますが、
編集者は朝早く夜遅いので、会社員やバイトで忙しい学生の方でも
合わせることが出来ます。
(激務すぎるなら別ですが……)
ちなみに、服装はスーツじゃなくて構いませんと言われますが
半分くらい人がスーツで来るそうです。
そして編集者のラフな格好に驚き、場違い感を味わい、
二回目からは私服になるパターンが多いそうです。
スーツは授賞式の時に着るので、私服で構いません。
(社内)電話で到着した旨を伝えると打ち合わせスペースへ案内されます。
担当編集者と編集長から名刺をいただきます。
名刺は作っておいてもいいですし、この段階では無くてもOKです。
授賞式の時には作っておかないと、後々後悔します。
(先輩との名刺交換があるため。
とはいえ、名刺をつくり忘れる新人さんは多いので
大目に見てくれます)
そして、契約書を書きます。
賞金の振込先や著作権関連のやつです。
この書類を書き終えると、編集長は退散します。
初めての打ち合わせ
担当さんと受賞作品の打ち合わせを行います。
担当さんは基本的に、その作品を推した人がなります。
受賞作品についてあれこれ語り合いながら、
作品の改稿について打ち合せします。
受賞作品はある程度の改稿が必要です。
ライトノベルは続刊前提なので、引きや次巻以降の設定、
伏線などを入れる作業になります。
続刊前提はラノベ作家の宿命だと考えてください。
新人賞受賞作品なら、なおさら二巻以降は確実(レーベルによりますが…)です。
キャラクターや展開が変わることもあります。
しかし、受賞作品の発売日は決まっているので
迷走しないよう、改稿は最低限におさえることが多いです。
(逆に拾い上げなどの場合は、発売日が決まっていないので
ガッツリ書き直しさせられたりします。何度も何度も……。
ここで折れる人は多いですが、プロとしてやっていくなら
乗り越えなければならないことです)
発売日までは半年程度です。
長いように思えますが、実際は色々やることがあり
あっという間に発売日になります。
改稿が無事終わったら、校正さんに原稿が回ります。
誤字や色々なツッコミの赤が入ったゲラが届きます。
それを対処し、送り返すと著者の仕事は終了です。
(この作業のやり方は担当さんが教えてくれます)
イラストレーターの決定
しばらくするとイラストレーター決定の連絡が来ます。
イラストレーターは基本的に編集者が決定します。
間違っても作家が勝手に決めたりしません。
(推薦したりすることは出来ますが、
決定権は編集者にあります)
また、勝手にイラストレーターと連絡をとるのも嫌がられます。
仕事でなく、プライベートな絡みなら問題ありません。
(ツイッターのフォローなんかも大丈夫です。たぶん)
決定したイラストレーターに対して
「イメージと合わない!嫌だ!」と言うこともできますが
おそらく編集者からメンドくさい奴と思われるでしょう。
担当さんの面子丸つぶれです。
どうしても譲れない場合以外はやめておいたほうが無難です。
更に時間が経過すると、担当さんからキャラクターのラフが送られてきます。
設定やイメージと齟齬があれば、指摘してください。
(ここで指摘することは問題ありません)
挿絵の場所の指定などは出来ません。
ただ、担当さんに「ここをこんな感じで魅せたい」と伝えれば
汲み取ってくれることもあります。
帯やあらすじも編集者の領域です。作家は特に触れません。
献本〜発売日
あとがきやら作家プロフィールやらを書いているうちに間もなく発売日です。
献本が届きます。10冊くらいあるので知人に配りましょう。(発売後に)
挿絵などはこの時点で確認出来ます。
感動ものです。ラノベ作家になってよかったと思う瞬間ですね。
ホームページにはすでに作品が載っています。
そして発売日、書店に並びます。
レーベルによっては探すのに苦労しますが
書店に自分の本が置いてあるのを見ると、喜びで体が震えます。
その後はネットで感想を検索したり
知人に電話したり二巻の作業に入ったりします。
売上の結果報告
発売から一週間ほどすると売上の連絡が担当さんから来ます。
実倍数を教えてもらうわけではなく、
簡単に言えば「打ち切り」か「何巻まで保証」か「緊急重版」などの報告です。
打ち切りは最悪です。まさに天国から地獄ですね。
何巻まで保証〜はその後の流れにもよりますが、
一巻の時点での保証なので今後、変わることもあります。
緊急重版は滅多にありませんが、デビュー作で爆発する人も多いです。
ヒットの兆しを無駄にせず、メディアミックスを目指して続きを書きましょう。
賞金・印税の振込
印税や賞金が振り込まれます。
以上が受賞〜デビュー作発売までの流れです。
デビュー作というのは思い入れがあり、
発売までに、ひと悶着あったりすることもあります。
私もそうでした。今思い返すと恥ずかしい……。
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