スズキが新発売する150ccロードスポーツバイク『ジクサー』。記者発表会では、チーフエンジニアの田中強氏が、その車体について詳細を説明した。
「フレームはスチール製のダイヤモンド式とし、必要な剛性を確保しながら軽量(装備重量135kg)に仕上げています。フロントフォークには剛性に優れたφ41mmのインナーチューブを採用。リアサスペンションには7段階プリロード調整付きのモノショックを装備し、余裕のある仕様としています」
「ブレーキにはフロントに266mmの大径ディスクを、リアも220mmディスクブレーキとすることで安定した制動力を確保しています。タイヤはフロント110mm、リア140mmサイズの幅広タイヤを採用し、リアをラジアルタイヤとして、操縦安定性と乗り心地の両立を狙いました」
「排気量や車両重量から考えますと、ややオーバースペックなサスペンション、ブレーキ、タイヤの装備となっています。これらは性能のみならず迫力のある外観を生み出し、ジクサーのスポーティなデザインをアピールする要素となっています」
「もちろん性能面におきましても、これらの装備に加え、大型機種と同様の妥協のないつくり込みにより、スズキらしい懐が深く、素直な操縦安定性を実現しています」
「スポーティなスタイルながら、アップライトなライディングポジションになっているのは、コンセプトにある扱いやすさを実現したものです。その結果、市街地走行からワインディングまで気負うことなく、快適に走行できるライディングポジションとなりました」
「適正なクッションを持ったシートは、長距離のライディングも疲れることなくこなすことができます。ジクサーの一体式シートは、コンセプトにあるスポーティなデザインと扱いやすさを実現したものとなっています」
「スポーティな外観とするには、シートの段差を大きくしたいという要望が出るのですが、一方で、乗り心地や2人乗りのしやすさなど、実用的な部分も確保したいといった意見のせめぎ合いをしながら開発したシートです」
「スピードメーターはフル液晶タイプを採用しています。ジクサーはインドで2014年より発売しておりますが、インドでのフラッグシップに相応しいシンプルかつ視認性に優れたメーターになっています。メーターデザインの考え方は、スズキの大型機種GSX-S1000などにも展開されておりまして、日本の若い人たちにも受け入れられるデザインではないかと考えています」
「イグニッションスイッチをオンにしたとき、オープニングメッセージとして READY GO の文字が表示されます」
そして最後に、田中氏は力を込めてこう述べた。
「150ccスポーツモデルであるジクサーの日本投入は、スズキとしても初めてのチャレンジですが、ジクサーはこのカテゴリーに初めて投入する機種として相応しいモデルであると自負しております。スタイリッシュで扱いやすいジクサーは、若者からベテランライダーまで満足いただけるものと考えています」