基準地価、26年ぶりに下げ止まる 長崎県の全用途の平均
土地売買の目安になる県内の基準地価(7月1日現在)が17日、公表された。住宅地、商業地、工業地など全用途を合わせた県内全体の平均変動率は1998年から下落が続いていたが今回は前年比0・0%の横ばいで、26年ぶりに下げ止まった。西九州新幹線(武雄温泉―長崎)の開業に伴う開発への期待感のほか、都市部のマンション・住宅需要が堅調で一部は郊外にも波及しているためという。
調査地点は昨年と同じ447地点。平均変動率がプラスになったのは住宅地が8市町(大村、佐々、時津、長与、佐世保、諫早、波佐見、長崎)、商業地が9市町(時津、大村、佐々、長崎、長与、佐世保、諫早、川棚、波佐見)。
県全体の1平方メートルあたりの地価の平均価格は住宅地が2万5500円(前年比400円上昇)、商業地が10万5500円(同2200円上昇)だった。
用途別でみると、住宅地の県全体の平均変動率は前年比マイナス0・2%で26年連続の下落だが、下落幅はここ4年続いて小さくなってきている。
長崎市は0・2%上昇。中心部から北部にかけての平坦(へいたん)地の需要が堅調で上昇が継続しており、斜面地でも車が通行できる土地は横ばいまたは若干の上昇傾向が見られる。大村市は住宅地域が市外縁部にも拡大するなど宅地開発が活発で、需要も底堅く2・8%上昇した。
商業地の県全体の平均変動率は0・3%上昇。92年以来、32年ぶりにプラスに転じた。
長崎市は2・0%上昇。市中心部の幹線道路沿いでは堅調な需要が継続しているが、長崎駅周辺の上昇率は前年に比べてやや縮小している。
佐世保市と諫早市はともに1・0%上昇。大村市は人口増加に伴う住宅価格の上昇が商業地にも波及しており、2・2%上昇した。
住宅地、商業地とも下落率最大の地点があったのは五島市奈留町。人口減少の影響が強く出ているという。
工業地の県全体の平均変動率は1・1%上昇で1平方メートルあたりの平均価格は2万1900円。県内10地点すべてで横ばい、または上昇基調にある。住宅地域や商業地域に隣接する工業地で、周辺との相乗効果で上昇幅が拡大傾向にある地点が見られるという。