悩みに寄り添う選書で本の世界広げて 読書週間に図書館でイベント

宮坂奈津
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 【兵庫】「最近本を読めていない」「何を読んでいいのかわからない」――。読書週間の3日、そんな人を対象にしたトークショーが神戸市立中央図書館(神戸市中央区)で開かれた。

 登壇したのは、選書サービスも提供するオンライン書店「Chapters bookstore(チャプターズブックストア)」の店主、森本萌乃さん(34)と、フォロワー数24万人のインスタグラムで小説の魅力を発信する空蒼(くう)さん(23)。約30人が参加した。

 事前に参加者からヒアリングした悩みにあわせて2人がおすすめの本を選び、会場で紹介。「疲れたときに眺めるだけでも楽しめる本」「転職活動中に勇気をもらえる本」などのリクエストに答えた。

 イベントは「神戸『本』の文化振興プロジェクト」の一環として初めて開催した。図書館になじみのない層をターゲットにし、SNSなどで参加者を募集した。

 森本さんは「読書を『お利口なエンタメ』とは思わないでほしい」という。「本が読めないという悩みは、どこかで難しい、長い本を読了しなければと思い込んでいる場合もある」と話す。「いきなり芥川賞作品などに手を伸ばさなくてもいい。詩集でも、エッセーからでもいいし、つまらなかったら途中でやめてもいい。選書がその入り口になれば」。

 森本さん自身も月30冊程度に目を通すというが読了するのは10冊程度。「『読書週間に1冊読めたらOK』。それくらいの気持ちで本に向き合ってほしい」と話す。

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森本さんたちが選書した本(抜粋)

・疲れたとき、眺めるだけでも癒やされたい

→『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ著、文芸春秋)

・バツイチだけど、ときめきたい

→『はつ恋』(村山由佳著、ポプラ社)

・高校生が本に興味を持てる初めの一冊は

→『しき』(町屋良平著、河出書房新社)

・独身で、猫と一人一匹の老後が心配

→『ツバキ文具店』(小川糸著、幻冬舎)

・家族との距離感に悩んでいる

→『ひと』(小野寺史宜著、祥伝社)

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この記事を書いた人
宮坂奈津
神戸総局|事件担当
専門・関心分野
事件・事故、若い世代、若者と政治、民主主義