10日に見つかったカーネル・サンダース像の上半身に、新たに引き揚げられた下半身と右手が合体された=11日午前、大阪市中央区、諫山卓弥撮影10日に見つかったカーネル・サンダース像の上半身に、新たに引き揚げられた下半身と右手が合体された=11日午前、大阪市中央区、諫山卓弥撮影朝日放送の松本修・チーフプロデューサー
阪神の成績低迷は、道頓堀川に投げ込まれたカーネル・サンダース像の呪いである――こんな「伝説」が広まったきっかけは、朝日放送の人気番組「探偵!ナイトスクープ」だった。関係者は感慨深げに「救出」の報を喜んだ。
88年3月にスタートした同番組は、初回の放送で、「道頓堀に沈んだカーネル・サンダースを救え!」としてこのネタを取り上げた。街で広まりつつあった「呪い」伝説を追い、像を探し当てて呪いを解こうとした。翌4月にもこのネタを2回放送。計3回のうち2回でダイバーを川にもぐらせ、1メートル四方ずつ移動しながら数十メートルにわたり川底を調べたが、見つからなかった。
当時のプロデューサーの松本修さん(59)は「しらみつぶしに捜した。それでも見つからず、放送後は都市伝説として定着した」と振り返る。
以後、サンダース像は「阪神色」を増し、貸し出されてファンの集いに出かけたり、阪神甲子園球場のケンタッキーフライドチキンの店で法被を着たりしてきた。
「探偵!ナイトスクープ」は今月15日、午後7時からのゴールデンタイムに初めて、2時間の特別番組として放送される。松本さんは「祝福してくれているとしか思えないタイミング。それと、大阪に元気を出せ、がんばれと言っているのではないか。優勝祈願をする阪神ファンはこれから、広田神社(兵庫県西宮市)とともにカーネル参りをしたらいい」と話す。(市原研吾)