アップルはなぜ基調講演を火曜にやるのか

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    アップルはなぜ基調講演を火曜にやるのか

    アップルが基調講演で新製品を発表することは知ってても、「なぜ毎回決まって火曜日なの?」という疑問に答えられる信者は少ないはず。そこで僕は今回その素朴な疑問に答えを出すべく、あちこち取材してみました。

    その結果分かったのは、アップルのニュース発表のタイミングは、世の中のニュースが生まれて伝わるまでのサイクルを忠実に反映した、100%実践重視の「左脳」判断だということです。

    出張 : (アメリカの)記者は日曜日の出張はしません。日曜は休業日。月曜にイベントやプレゼンがあっても、日曜のうちから移動はしないのです。

    週刊誌 : 今やブログやサイトのニュース配信は一瞬ですし、「タイムリー」な報道媒体と見なせる中で一番リードタイムが長いのは週刊誌ですよね。で、印刷媒体は発刊サイクルの都合もあるので、水・木のニュースではその週の記事の締め切りに間に合わないこともあるんです。

    アナリスト : 情報が外部にリークする時間を最小限に留めるため、アナリスト向けブリーフィングは通常ニュース発表の前日に組まれてます。

    設営 : 平日を1日余分にとることで、アップルのイベントチームも最後の準備の追い込みに専念できる!

    PR 101(これは広報の必須基礎Ⅰ) : 以上すべての理由により実は、ほとんどの会社では重大ニュースの発表をなるべく火曜日に合わせるようにしてるんです。アップルみたいに何百万人という信者がニュースを待ってるわけじゃないので目立たない、それだけのことで、割と広報の世界では基礎の基礎みたいですね。

    このパターンが定着した時期がいつ頃なのかについては、僕にも分かりません。が、ウォズの話では氏のアップル時代の後に伝統が始まったそうです。きっと印刷媒体が消えてからもずっと長く残る伝統じゃないでしょうかね…。だって伝統は無闇にいじっちゃいけないし。

    [Apple元広報のみなさん、Cult of Macのリーアンダー・ケイニー(近著『スティーブ・ジョブズの流儀』)の情報(+ファジーでナイスなウォズ)に感謝します]

    Brian Lam(原文/訳:satomi)

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