新iPadの4G LTEや、ドイツの512Gbpsで驚いてちゃいけないわ。人類最後のフロンティア、テラヘルツ帯域に筑波大と米ピッツバーグ大が王手をかけました!
実用化の暁には、どーーんとTbps以上の超高速データ送信が可能に。もう送る前に届いちゃうんじゃないかと心配になりますね。
今はせいぜいGHz(ギガヘルツ)帯域が限度ですが、筑波大学数理物質系の長谷宗明准教授、電気通信大学大学院の桂川眞幸教授、ピッツバーグ大学のハルボエ・ペテク(Hrvoje Petek)物理化学教授がデモしたのは、ワンランク高い赤外線とマイクロ波の光の間の帯域でデータを送る手法です。
チームでは、「半導体シリコンクリスタル内にある位相のそろった原子運動のコヒーレントな集合体[つまり振動]を励起することで100テラヘルツを超える帯域の」周波数コムを実現。実際のデモで周波数間隔15.6THzを達成したのです!
周波数コムは光のあるひとつの色を等サイズの塊に分けてできるもので、様々なものに応用ができます。例えばデータ転送もそのひとつ。
「このような高帯域で光を変調できると、転送できる情報量も今ある技術で可能なレベルの1000倍以上に増える」とペテク教授は声明の中で語っています。
ピッツバーグ大学ニュースでは、こう紹介されてますよ。
シリコンクリスタルの光学特性を調べるため、ペテクと氏のチームでは、強いレーザーパルスを当てて励起させた後に、光の反応にどんな変化が生じるか調べてみた。すると励起後、反射光は15.6 THzで振動しているのが観測された。これはシリコン格子内の原子の機械的周波数としては最高の値。この振動で光の吸収・反射にさらなる変化が加わり、基本振動数は最大7倍まで倍増、100 THzを超える周波数コムが生成されたのである。結晶性固体でこのような周波数コムの生成を観測したのはペテクと氏のチームが初めて。
ひゃー、なにがなんだかだけど、すごい快挙だってのは分かります!!
まだ実験段階の技術ですが、市場に出回れば、光ファイバー並みの通信速度がワイヤレスで楽しめるようになりますよ。それまでに電子のコヒーレント振動をペタヘルツ帯域(=1000兆ヘルツ!)に高めるところまで研究が進んじまってなければの話だけどね。
[University of Pittsburgh - Pitt Lab of Ultrafast Dynamics via PC Mag]関連:筑波大など、Si原子の振動を利用した新原理による周波数コムの観測に成功 (マイナビニュース)
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ANDREW TARANTOLA(原文/satomi)