カリフォルニアのエイムズ研究センターにある、NASA宇宙生物学研究所。こちらで上級研究員として働くデビッド・モリソン博士は、刻々と近づきつつある(いや近づいてない?)世界の終わりについて、なぜか権威的な存在となっています。でも、なんで?
8年前、モリソン博士は研究所のWebサイトで「宇宙科学者に訊け」というコラムの連載をスタート。その時から、彼は「2012年終末説」に怯える人たちから、じつに5,000通ものメールを受け取っているそうです。
そもそもマヤ・カレンダーには「2012年に世界が滅亡する」という記載はないと言われています。しかし、一部の専門家による解釈や映画の影響などによって、その「予言」がかなり確からしいものとして広まっているんですね。そんなわけで、不気味なXデーが近づくにつれて、モリソン博士のもとには週に50通もの質問メールが寄せられるように。
「なぜそんな問い合わせがNASAに殺到するのかは完全に謎」としつつも、「おそらくほかに質問できる場所がないからだろう」と博士は語ります。
はじめにメールを受け取った頃は「そんな話聞いたこともない」と戸惑った博士。しかしメールに返信したり、マヤの歴史家などほかの専門家と情報交換したりしているうちに、気がつけば毎日1時間もこの件について時間を割くようになっていたとか。
...な、なんて誠実な方なんだ!
ちなみに博士の専門分野は、小惑星の衝突や衝突からの地球防衛、惑星爆発、そして地球外生命の探索。地球滅亡に恐れおののく人々にとっては、非常に関係の深い分野に思えるかもしれませんね。
[The Awl]
Mario Aguilar(Rumi/米版)