シグマ、やっちゃった。
普通のCMOS、CCDセンサー搭載機とは明らかに画が違う。誇張なく「空気感も写しとれる」コンデジのDPシリーズがフルモデルチェンジ。「dp Quattro」シリーズとして登場します…しますが、なにこのカタチ! 横長いっ!
でも惹かれてます。強烈に。たぶん、一目惚れ。
今日発表になったのは「dp2 Quattro」。フルサイズに換算した有効画角は45mm。人間の目で眼前の空間を見ているときに近い遠近感、サイズ感の写真が撮れます。
他にも広角28mm相当の「dp1 Quattro」、中望遠75mm相当の「dp3 Quattro」が登場するようです。
真横からみると、グリップ部がかなり大きいことに気がつきます。これは握りやすそう。そしてバッテリーをどう収納するかが、デジカメデザインの肝なんですね。
通常、親指は「FOCUS」と書かれた(たぶん)AFボタンの場所にあるのでしょう。というか十字ボタンがない! 思い切りすぎ!
十字ボタン以外のインターフェースは、たぶん従来の高級コンデジに近いもの。そうか、十字ボタンがなくなるだけでこんなにもソリッドでモダンなイメージになるんだ…。2012年発売の「DP2 Merrill」、いやすべての高級コンデジのインターフェースが古いものに感じてきました。
逆NEXスタイルと言えばいいのかな…。シグマが新たにコンパクトデジカメを考える上で、どうしても譲れなかったのがこのダイヤル&ボタン配置なのでしょうか。
しかしレンズの存在感がハンパありません。去年は「センサーのDP Merrill、レンズのGR」とささやかされましたが、「dp Quattro」はセンサーもレンズもすごそう。
そうそうセンサーにも手が入っています。新開発のFoveon X3 Quattroは解像度が30%アップ。ノイズ特性も向上したそうです。処理速度も「TRUEⅢ」画像エンジンによりアップ。
でもそういうスペック面が考えないくらい、カタチとインターフェースを凝視中です。
初めてカメラを手がけたときからずっと、
シグマは、作品づくりのための機材を考えてきました。
最も身近な芸術表現のひとつである写真の本質に迫ることができる、
それでいて、誰でも「最高の一枚」をものすチャンスが得られるカメラを。
手軽で、便利で、優秀な、あまたのカメラとはまったく方向性が異なるけれど、
「写真って、素晴らしい」と心から思えるカメラだけを大切につくっていきたい。
10年以上前、未知数ながらも圧倒的な解像感、階調や色の豊かさと、
確かな実体感をもったFoveonと出会った瞬間に確信しました。
これこそ探し求めていた「画」だと。
しっかりとした「ボディ」を感じさせる像質。
この世界の光をそのまま取り込んだ、本当の高画質。
今日ではあたりまえになった「フルスペック・コンパクト・デジタルカメラ」も、
Foveonからインスピレーションを得たシグマが創ったカテゴリでした。
最高のセンサーと最高のレンズの性能を最適化できるDPシリーズは、
中判クラスの画質とポータビリティを両立させた完全に新しい存在として、
世界中の写真愛好家にポジティブなインパクトを与えてきました。
いま、写真とカメラをめぐる環境がめまぐるしく変化するこの時代にあって、
シグマはつねに自問しています。
写真との関係を再構築できる、我々がつくるべきカメラとは何かを。
普遍的で、しかも今日的な、確かな哲学をもったカメラをつくろうと。
2月13日から開催されるCP で披露される1機。注目株です。
dp Series[シグマ]
(武者良太)