約260人のブロガーが、日々ITにまつわる時事情報などを発信している、ビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」。その中から今回は「電子書籍」「LinkedIn」「iPhone」などを紹介しよう。
Amazonの電子書籍マーケットがいよいよ日本でオープンしそうだ。われわれのようなインディーズレーベルで電子書籍のビジネスを進めているところにとっては、まさに待望の黒船来襲だったりする。
佐藤由紀子氏「海外速報部ログ」によると、米国ではベストセラーの場合、その半分は電子書籍だそうなというぐらい、米国では電子書籍が普及しているようだ。では日本ではどうだろうか。佐藤氏は「日本でもそのうち電子書籍が5割になるかというと、そんなことはないんじゃないか」と推測する。佐藤氏自身は「紙の本の方が好きですが、電子書籍にもそれなりに便利さがあると感じている」という。「iPadでしおりをはさんでおけば、Androidでそのしおりのページから再開できる」など、便利に使っているようだ。
そしてジョブズ氏の伝記、CHAPTER ONEまで読んだでは、ジョブズ氏の伝記の「翻訳版の電子書籍が紙と同じ価格というのがちょっと物議を醸している」ことを紹介。ちなみに「米国では紙より3割引きくらい」だという。ただ「多くの読者が紙の本を“愛蔵”したいはずなので、1400円くらいにしても紙の本に影響は出なかったんじゃないか」ともいう。
いまいち普及が進まない感のある日本の電子書籍市場に、ついに大きな動きがあった。アマゾンが、日本でも電子書籍事業に参入するというのだ。
ブロガー | ブログ | 歓迎? 黒船来襲 |
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佐々木康彦氏 | 「平凡でもフルーツでもなく、、、」 | アマゾンが年内に電子書籍事業参入へ、Kindleも投入と日経がトップで報じる |
谷川耕一氏 | 「むささびの視線」 | いよいよ黒船来襲で市場拡大が期待できる |
永井孝尚氏 | 「永井孝尚のMM21」 | アマゾン、いよいよ日本でも電子書籍事業へ参入。実は私、1週間前に最新Kindle 3をゲットしました。その目的は.... |
佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」のアマゾンが年内に電子書籍事業参入へ、Kindleも投入と日経がトップで報じるによると、日経新聞が「アマゾンが小学館、集英社などと詰めの交渉に入っていて、年内にも日本語の電子書籍サイトを開設、スマホなどへの配信の他、キンドルも投入する構えで、すでにPHP研究所とは合意、約1000点の書籍を提供する予定で、講談社、新潮社とも交渉しており1〜2カ月以内に数社との契約を目指している」と報じているという。佐々木氏は「国内電子市場の拡大にこれが弾みになるのは確実」としている。
谷川耕一氏「むささびの視線」のいよいよ黒船来襲で市場拡大が期待できるでも、「これで、DRM(Digital Rights Management:デジタル著作権管理)をきちんとかけた状態で電子書籍を売りたいという要望に、容易に応えられるようになりそうだ」と期待を高めている。もちろん「Amazonの取り分が大きいのではという話」もあるが、「課金の仕組みやDRMの提供、さらにマーケット力を考慮すれば、個人的には決して高いものではない」という考えているようだ。「Amazonに3割なりとられたとしてもビジネスが成り立つよう、紙の本の値段に縛られずに自分たちが納得できる価格設定を自由にすればいい」からだ。さらに谷川氏は、「今回のAmazonの動きに追随して、AppleのiBooks Storeも早期に国内で動き出してくれればなあ」とも期待している。
日本で電子書籍というと、紙の蔵書を裁断して電子化する「自炊」が先行している。しかし筆者は自炊には賛同できない。電子化するのは問題ないのだが、そのために本の造形を破壊することに耐えられないのだ。
そこに面白いサービスが登場した。成井秀樹氏「なるいのDRM進化論」の自炊はもはや不要! 本屋で買って、ハガキを返し、電子が届くサービス始めました。で告知されたものだ。続く本屋で買って、ハガキを返し、電子が届く。「i読」が好評です。では、「紙媒体の本についてくる読者カードにメールアドレスを書いて返送すると、その本の電子版や他の電子コンテンツが受け取れる」というサービスであると、図解で紹介されている。ここで書かれている「出版物のリッピング(複製物の作成)は裁断機やスキャナーといった道具が必要であるだけでなくかなりの手間がかかる。また自炊の結果として本が使い物にならなくなってしまうという大きな欠点がある」という点には同感だ。筆者のように本が好きな人間にはとてもできるものではなかったのだ。そういう意味で、このサービスは興味深い。
今回の「オルタナブログ通信」は、10月13〜26日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿されたエントリーの中から、「電子書籍」「LinkedIn」「iPhone」といったテーマについて紹介する。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしていただければ幸いだ。
まずは、投稿状況グラフを見てもらいたい。
減少傾向にあったエントリー総数が、この2週間で再び上昇に転じてきた。ブログを更新したブロガー数も増えている。3人の新ブロガーも誕生した。3人とも「働き方」をテーマにしているところが興味深い。
ブログオープン | ブロガー | ブログ |
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10月18日 | 三石原士氏 | 「ソーシャルメディア×リクルーティング」 |
10月21日 | 武田直人氏 | 「ワークスタイル進化論」 |
10月26日 | 佐別当隆志氏 | 「はたらきたい。」 |
続いて、キーワードランキングを見てみよう。なお、ここでいう先週順位は、本稿を休載した10月13〜19日のランキング順位であることをご了承願いたい。
順位 | キーワード(カテゴリー) | エントリー数 | 先週順位 |
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1 | ビジネス | 71 | →(1) |
2 | 社会 | 48 | →(2) |
3 | イベント | 34 | →(3) |
4 | 本・書評・出版 | 23 | ↑(5) |
5 | ストリーミング・動画 | 22 | ↑(6) |
6 | グローバル | 20 | ↑(8) |
7 | テクノロジー | 16 | ↑(19) |
8 | 14 | ↑(9) | |
雑感 | 14 | ↑(10) | |
10 | モバイル | 13 | ↓(4) |
ブロガーイベントや朝活などに加え、新商品発表会も開催される時期であることから、「イベント」が上位に留まる形になっている。ベスト10以下には、11位に「ソーシャルメディア」、12位に「音楽」、同率13位に「電子書籍」「LinkedIn」が並んだ。
それでは、10月13〜26日にオルタナブロガーが取り上げてきた話題を振り返ってみたい。
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