JR秋葉原駅前に位置するヨドバシカメラ「マルチメディアAkiba」。地上9階/地下6階、売り場総面積2万3800平方メートルという巨大な家電量販店は、常に多くの買い物客であふれ、店員さんたちの声が飛び交うにぎやかな場所だ。しかし、閉店時間の22時を過ぎれば店内は一変、昼間の喧噪が嘘のように閑散とした空間に変わる。
巨大店舗に訪れた、つかの間の休息――それは朝まで続くはずだった。
考えてみてほしい。これほど家電製品の試用に適した環境はほかにあるだろうか。製品は文字通り“売るほど”あり、広大な店内には長い通路や開けた場所も存在する。あらゆる場所にコンセントが用意され、いくら電気を使ってもブレーカーが落ちる心配はない。検証中に家族が乱入することもなく、必要なら売り場担当者から最新情報を仕入れることもできる。
そこに気づいてしまったITmedia編集部は、ヨドバシカメラ販売本部のA氏(立川市在住、終電は0時18分)を巻き込み、大胆にも閉店後の店舗を借りて大実験を敢行することにした。――これは各社最新家電の真っ向勝負。そして終電との勝ち目のない競争に身を投じた熱いおっさん達の記録である。
今回ピックアップしたのは、バルミューダの「GreenFan Japan」、ダイソン「PureCool」、シャープ“スリムファン”「PF-HTC1」、そして東芝「F-DLT75」。形状はバルミューダと東芝がスタンダードなタイプで、ダイソンとシャープは新しいスリム型だ。
メーカー | バルミューダ | ダイソン | シャープ | 東芝 |
---|---|---|---|---|
製品名 | GreenFan Japan | PureCool | PF-HTC1 | F-DLT75 |
本体寸法(※) | 330×320×871ミリ | 196×196×1018(高さ)ミリ | 260×270×830ミリ | 352×350×815〜1092 |
重量 | 約4.1キログラム | 3.58キログラム | 約5.7キログラム | 約3.7キログラム |
風量設定 | 4段階(コードレス運転時は3段階) | 10段階 | 11段階 | 連続5段階+ランダム風3段階 |
首振り角度 | 左右150度 | あり | 上約60度/下約40度、左右90度 | 左右90度 |
オンタイマー | なし | なし | 1/2/4/6時間 | 2/4/6時間 |
オフタイマー | 1/2/3/4時間 | 15/30/45分、1/2/3/4/5/6/7/8/9時間 | 1/2/4/6時間 | 1/2/4時間 |
付加機能 | 別売バッテリーなど | 空気清浄機能 | みはり機能、プラズマクラスター25000 | 温度センサー |
実売価格(※2) | 3万7800円 | 5万7500円 | 2万2200円 | 1万6280円 |
まずは店舗の営業時間中に各製品の下調べ。扇風機売り場担当コンシェルジュ・森田貴之氏のコメントを交えつつ、各製品の概要を紹介していこう。
デザイン性の高い加湿器やDC扇風機の先駆けとして人気の高いバルミューダが満を持して投入した“純国産”の新型扇風機。製造から組み立てまでをすべて国内工場で行い、そのこだわりを示すため製品名に「Japan」の文字を加えた。“心地良い自然の風”を作り出すという2重の羽根に込められた技術や国内工場ならではの製造技術については別記事に詳しいが、店頭でも「指名買いが多いのも事実ですが、そうではない方にも説明すると売れる商品です」(森田氏)。
ボディーはマットな質感で、シンプルなデザインと合わせて“大人の扇風機”といった趣だ。しかも本体から中間ポールを外すと高さ50センチほどの卓上扇風機に早変わり。さらにオプションの専用バッテリーパックと充電ドックを使ってコードレス扇風機になったりとユニークな機能を備えている。バッテリー駆動時間は最大12時間と一晩中使っても問題ない。
スタイルは昔ながらの扇風機だが、メンテナンス性もいい。前面カバーは回すだけで着脱でき、掃除に困ってしまいそうな複雑な形状の羽根は水でじゃぶじゃぶと丸洗いすることができる。ただ、フレームがあまりに簡単に外せてしまうため、逆にチャイルドロックなどは欲しかったところか。プラグ部はACアダプターになっているためコンセントの場所を選ぶかもしれないが、プラグ部分の方向を変えられるなど細かい配慮もあった。
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