アニメやCG、ゲームなどコンテンツ関連の約100社が出展する「東京コンテンツマーケット 2005」(東京・国際フォーラム)が、10月19、20日の2日間にわたって開かれている。日本初のアキバ系SNSや、ディスプレイの前に立つと自分の顔がリアルな動物に変身するシステムなど、珍しい切り口の新製品や作品が出展されている。
「アキバに特化したSNSは、おそらく世界初」――オタク向けアニメのオープニング映像などを手がけるハイビジョンは、オタクをターゲットにしたSNS「Filn」(フィルン)を12月にも始める予定だ。スタッフ自身がオタクであるという強みと、アニメ制作で培った人脈を生かし、オタクに愛されるサービスを目指す。
公式キャラクターのデザインには、ぽよよん・ろっくさんを起用。人気作家の画像入りスキンを無料提供したり、声優ライブやオフ会を企画、アキバ情報を提供するなどして、既存のSNSと差別化する。
ターゲットの広い総合型SNSは「mixi」が一人勝ちの状態。mixiと差別化すべく、ユーザーを限定した特化型SNSに参入しようと考えるIT関連事業者は多いが、収益につなげにくいのが現状だ。
「これまで100本以上のオタク向けアニメを手がけてきた当社なら、SNSを通じてメイドさんのCDを発売したり、イラストレーターの画集を発売したりといった事業展開ができる」――秋葉原にオフィスを構え、自らもアキバが大好きだというハイビジョンの宮脇元康社長はこう説明し、物販などでも収益を上げていく考えだ。
12月29日に開幕する「第69回コミックマーケット」の2週間ほど前からサービスを始めたい考え。「冬コミの待ち合わせの連絡などに使ってもらえれば」(宮脇社長)
帽子をかぶってディスプレイの前に立つと、自分の顔がゾウやクマに変わる。カラの紙皿を持っている手には、ケーキが載っている――NTTアドバンストテクノロジのブースではそんな不思議な体験ができる「AmazeART」を出展している。
秘密は、帽子と紙皿に貼り付けた絵にある。この絵をディスプレイ上部に設置したカメラが読み取り、表示すべき画像の種類――この場合は、クマの顔やケーキ――を判別。絵のまわりの四角い枠の見え方によって、顔や紙皿の角度・距離を検知し、対応する3D画像を背景に合成して表示する。
クマやケーキの3D画像は、あらかじめさまざまな距離や角度から撮影しておく必要がある。同社は、デジタルカメラを使った撮影用システム「AmazeCAP」を開発。物体の周りにぐるりとカメラをめぐらせ、15度間隔など任意の角度ごとに自動撮影できる。
AmazeARTは、宮崎県の科学館への導入が決まっているという。今後も博物館やアミューズメント施設などに売り込んでいく。
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