「すべて“アンサー”という形で作り直した」――NTTドコモは5月27日、「906i」シリーズ8機種と、「706i」シリーズ11機種を発表した。「独り負け」の経験から従来の方針を転換した「新ドコモ宣言」発表後の第1弾となる一斉発表。さまざまな機能を同社から提案してきた従来路線を改め、ユーザーからの要望に応える姿勢を強調した。
「物を作る基盤となる考え方を変えた」――同社の永田清人プロダクト部長は、新シリーズについての考え方を説明。「『こういう物があるから使ってみてはいかがですか』と提案するのではなく、すべて“アンサー”という形で作り直した」。今月から始めた広告キャンペーン「ドコモのあなたにAnswerを」になぞらえて話す。
906iシリーズは、動画関連の機能を強化した「オールラウンド動画ケータイ」。「905iシリーズよりハイスペックな端末が欲しい」「動画サービスを積極的に使いたい」といったユーザーの声に応えたといい、中村維夫社長は「本格的なケータイ動画時代の幕開け」と話す。
706iシリーズのコンセプトは「個性派スリム」。「もっと薄いワンセグ携帯がほしい」「ワンセグを風呂でも使いたい」「いらない機能を省いた端末がほしい」といったユーザーの声を反映した端末をそろえた。
NTTドコモは4月に、「お客さまの声をしっかり受け止め、その期待を上回る会社に変わります」などとする「新ドコモ宣言」を発表。7月から切り替わる新ロゴとともに、新たなブランド戦略を展開する。
同社は07年度、11年ぶりに国内シェアが50%を割り込む事態に陥いるなど、番号ポータビリティー(MNP)後に苦汁を飲んできた。今後は、純増数を競い合い、新規顧客を優先してきた従来の姿勢を転換。既存顧客を重視する路線に転換する。906i/706iで強調する「アンサー」もこの現れだ。
「実際に一人負けだった」と新ドコモ宣言の発表時に振り返った中村社長は6月に退任するため、大型製品発表会はこの日が最後となる。中村社長は「新ドコモ宣言を柱に、ユーザーの満足度を高めていく。人と人との絆を強めるリレーションカンパニーを目指す」と改めて説明した。
906iの全機種にワンセグ機能を搭載。VIERAケータイ「P906i」やBRAVIAケータイ「SO906i」、12.9ミリの極薄ボディ「N906iμ」などをそろえた。
自宅PCに保存してある動画や文書などのファイルを、外出先から携帯で利用できる新サービス「ポケットU」や、Blu-ray Discレコーダーに録画した番組を携帯に転送して視聴できる機能も、全機種で対応した。
「N906iL」は、家庭の無線LAN経由でブロードバンド回線に接続し、通話やデータ通信ができる新サービス「ホームU」に対応した。
706iシリーズのコンセプトは“個性派スリム”。ワンセグ付きで厚さ9.8ミリの世界最薄端末「P706iμ」、歩数計や脈拍測定機能が付いた“ウェルネスケータイ”「SH706iw」、ワンセグと防水機能を備えた「F706i」などをそろえた。
誰にでも使いやすいというコンセプトの「ie」シリーズも新たに加わった。操作が簡単で音声が聞き取りやすいという4機種を発売する。
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