Google傘下の動画共有サイトYouTubeは3月9日、英国でレーベルが提供するプレミアムビデオへのアクセスを遮断することを明らかにした。
遮断の理由について、同国の音楽著作権料徴収団体PRS for Musicとのライセンス契約を更新できていないためとYouTubeは説明している。同サイトは提携先レーベルのミュージックビデオを英国のユーザーに配信するため、PRSとライセンス契約を結んでいた。契約満了に伴って契約更新の交渉を進めていたが、PRSはこれまでの何倍ものライセンス料を要求し、「PRSが提示する条件では、ビデオが再生されるごとに多額の損失が出る」とYouTubeは述べている。
またPRSはライセンス契約でどの楽曲を提供できるのかを積極的には明らかにしておらず、そうした不透明性も契約更新の障害になっているという。
YouTubeはPRSと協議を続けているが、合意に至るまでは、レーベルのビデオへの英国からのアクセスを遮断するとしている。同サイトはこれを「苦渋の決断」としつつも、「レコードレーベルとの問題ではない。われわれは彼らのほとんどと良好な関係を持っている」と強調している。
一方PRSは、YouTubeの措置は同団体に相談なく行われたもので、「消費者および作曲家を代表して憤慨している」とコメント。「Googleは、YouTubeの視聴件数が大きく増えているにもかかわらず、サービスの要である音楽の作者に支払う金額を大幅に減らしたがっている」と述べている。
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