米Eastman Kodakは6月22日、74年の歴史を持つスチール写真用カラーフィルム「KODACHROME Flim」を今年で販売終了すると発表した。
同社はその理由として、写真家が新しいKodakフィルムやデジタルイメージング技術へと目を向けるようになり、KODACHROME Filmの売り上げが大幅に減少したためと説明している。現在、KODACHROME Filmの売り上げは、Kodakのスチール写真用フィルムの総売上のうち1%にも満たないという。またKODACHROME Filmは製造も現像も複雑で、現在は世界に1カ所しか現像所がない。このような状況も需要減につながったとしている。
KODACHROME Filmは1935年に発売され、世界で初めて商業的に成功したカラーフィルムになったという。Kodakは「KODACHROME Filmは象徴的な製品であり、イメージング技術におけるKodakの長年のリーダーシップの証し」だとし、「販売終了は難しい決断だった」と述べている。
Kodakは、現在の販売ペースで推移した場合、KODACHROME Filmの供給は秋の初めまで続けられると見込んでいる。唯一の現像所であるカンザス州のDwayne's Photoでは2010年まで現像を受け付ける。
Kodakは最後のKODACHROME Filmロールをジョージ・イーストマン・ハウス国際写真博物館に寄贈する。
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