春夏秋冬と、季節ごとに新製品を発表する国内PCメーカー。そのなかで必ず「新モデル」を投入するのが常となっているが、松下電器産業のLet's noteは、長らく従来モデルのパワーアップモデルで新しいラインアップを構成している。
開発陣が「今までで最も完成度の高かった製品」と語るLet's note R1をはじめとして、初期モデルの段階から、携帯重視型ノートPCの重要なスペックである「軽さ」「バッテリー駆動時間」の完成度は高かったが、それだけに、後継モデルは「生まれ変わった新モデル」というよりは、地道なマイナーバージョンアップを繰り返してきた。
携帯性を重視する、というコンセプトを思えば、競合他社のように「デザイン」「テレビ関連機能」という余計な機能をゴテゴテ盛り付けられて、肝心な軽さとバッテリー駆動時間が損なわれる、ということがないLet's noteは「健全に進化している」という印象がある。
しかし、そうはいっても、常に「軽さと長時間バッテリー駆動」を繰り返しアピールするだけでは、派手なデザインやパッと見便利「そう」なテレビ関連機能のように、多くにユーザーにインパクトを与えるのが苦しくなってきたのも事実ではある。
そういう状況を踏まえてか、松下電器産業が新たに大きく取り上げたのが「堅牢性」だ。Let's note夏モデルの製品発表会では、その堅牢性をアピールするデータや、デモンストレーションが紹介された。
松下電器産業のノートPC、というと国内ではLet's noteといった「軽量長時間駆動」というイメージが強いが、海外では「TOUGHBOOK」ブランドの「タフネス」ノートというイメージが圧倒的に強い。
その、TOUGHBOOKで培った「タフネス」のイメージをLet's noteでも継承しよう、ということだが、そのために取られた具体的な方策の1つが「耐100キロボディ」というキャッチコピーで紹介されている。
これは、Let's note W4/T4の天板「ボンネットキャビネット」に、微妙な曲面とカーブを施すことで、耐久性のある構造を実現したもの。「耐100キロ」という値は区切りがいいから、ということではなく、開発陣が実際に首都圏の通勤電車のラッシュ時に測定した値で決まった、という。
ちなみに「W4」「T4」の耐100キロボディは「田園都市線のラッシュ時にかかる過重」に耐えうる強度で、「R4」「Y4」の耐50キロボディは「山の手線のラッシュ時にかかる過重」に耐えうる強度である、とも開発者は説明してくれた。
製品説明会では、筐体パネルの薄型化、内蔵光学ドライブの「シェルドライブ」の小型化で実現した軽量化や、TPMチップによるセキュリティなども紹介されたが、今回、Let's noteのもうひとつの新機軸として打ち出されたのが「コンセプトを設定したファッション性」だ。
Let's noteでは以前からさまざまな色の天板を用意して、PCの色を選択できるオプションをショッピングサイト「マイレッツ倶楽部」で用意してきたが、今回は、ただ、カラーバリエーションを用意するだけでなく、「ライフスタイル」と「ファッションテイスト」の組み合わせから、ユーザーに合ったカラーを提案する、というもの。
自ら「Let's note R3のユーザー」と述べる伊藤忠ファッションシステムのトレンドPR室室長川島蓉子氏によると「男性には人気のあるLet's noteも女性には“VAIOとかMacのほうが、なんかかっこよくない?”と認知度が低い」とのこと。
そこで、Let's noteが女性にも選んでもらえるように、ユーザーがノートPCを選ぶときに重視する「人から自分はどう見られるのか」「自分の今のファッションとノートPCのデザインはマッチしているのか」を満たすべく、ユーザーそれぞれのライフスタイルに合わせたノートPCのカラーオプションを用意した、と説明した。
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