先月5月、インテルコンシューマ向けデュアルコアCPU「Pentium D」が登場して以来、今月はその動向が大いに注目されていたAthlon 64 X2が、6月18日に発売が開始された。
当日は、日本AMDがアキバで同CPUの発売キャンペーンを展開(次の日は、大阪日本橋、名古屋大須でもイベントを開催した)。日本AMD社長 ディビッドM・ユーゼ氏が各PCパーツショップを演説して回ったことも珍しく、話題となった。
ただし今回、発売初日にアキバでAthlon 64 X2を販売を開始できたのは、わずかに数社・数ショップだけ。ほか(系列)のショップには当日は入荷されず、24日時点でも「7月中には入ると思いますが、まだ代理店から一切話が来ていません」(某ショップ)と不満の声を漏らしていた。
さらには、7月初旬に入荷するショップもすでに決まっているという話も聞かれ、それにも声がかからなかったショップはさらに憤慨する。「AMDも入荷する店舗を制限したいわけではないでしょう。CPUの絶対流通量が十分でないのがそもそもの原因ですね」と、諦めぎみに話すショップ店員氏の顔は印象的だった。
なお、発売日当日のイベントではユーゼ氏が「日本向けへより多くのCPUを集めるために本社に掛け合った」(関連記事参照)とも述べてはいる。これは、もし“掛け合って”くれなかったらもっと品薄なのか、あるいはそもそも品薄傾向が判明していたからの発言なのかは定かではない。
ただし、話題のPCパーツが初登場時に品薄傾向となるのはさほど珍しいことではない。ユーザーからみれば、これまでのように在庫しているショップを苦労して探し歩くより、ある程度の量を確保している特定のショップに足を運ぶほうが楽なのは確か(発売当日にAthlon 64 X2を入手した一般ユーザー)という声もある。そのため、AMDがとった販売戦術を参考にするメーカーが今後出てくる可能性もあるとも噂されている。
インテルのデュアルコアCPUシステムと並んで、いや、システム全体で考えると比較的安価に導入できる傾向のあるAthlon 64 X2(と同CPU搭載システムおよび関連パーツ)は当然ながら、PCパーツにおける夏商戦注目製品の1つであると考えているショップも多い。
7月、どのショップでも潤沢に揃ったところで、ショップがどのような販売戦略を打ち出すかといったところにも注目したい。
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