NTTドコモは9月8日、新世代のデータ通信規格「LTE(サービス名:Xi)」対応モジュールを内蔵する10.1型タブレットデバイス2機種「GALAXY Tab 10.1 LTE」(Samsung電子製)と「ARROWS Tab LTE」(富士通製)を発表、2011年10月上旬より順次発売する。
それぞれOSにAndroid 3.2、10.1型ワイドの静電タッチパネルディスプレイを搭載するタブレット型ボディを採用し、通信機能に2GHz帯のLTEサービス「Xi」対応モジュールを内蔵した初のタブレットデバイスとして展開する。GALAXY Tab 10.1 LTEは薄型・ハイスペックな傾向で1.5GHz動作のデュアルコアCPU(APQ 8060)を搭載、ARROWS Tab LTEは防水仕様(IPX5/IPX7準拠)でワンセグチューナーを内蔵する仕様とし、ユーザーニーズに応じた独自の特徴をそれぞれ備えた。
Xiは、2010年12月に開始した「高速、大容量、低遅延」を特徴とする新世代のデータ通信サービス。これまで国内ではUSBモデム型、ポータブル無線LANルータ型、ノートPC内蔵型(ソニー「VAIO Z」)が存在するが、タブレットデバイスへのモジュール内蔵は初めてとなる。
Xiの通信速度は屋外エリアで下り最大37.5Mbps/上り最大12.5Mbps、屋内施設の一部で下り最大75Mbps/上り最大25Mbpsで、契約数は2011年8月末時点で29万6200(8月月間純増数は9万500)。2011年末までに全国の県庁所在地・政令指定都市まで拡充、かつ新幹線東京−博多間の全駅構内対応とするサービスエリア計画がなされている。なお、Xiサービスエリア外でも下り最大14Mbps/上り最大5.7Mbps(GALAXY Tab 10.1 LTEの場合)とする人口カバー率100%の3Gデータ通信サービス(FOMAハイスピード)も併用できる。1つの契約で、高速なLTEと広エリアの3Gデータ通信サービスを一緒に利用できる点がポイントだ。
この高速、大容量、低遅延の通信機能と大型画面のタブレットデバイスで、NTTドコモが主に訴求するのは「動画・映像コンテンツ」。先日日本での展開を発表したオンデマンド動画配信サービスの「Hulu」、バラエティ動画配信サービス「よしもとケータイバラエティJOOKEY」、動画チャット/コンテンツシェアリングサービス「Qikビデオ」、クラウド技術によるオンライン・マルチデバイス対応ゲームサービス「G CLOUD」などと連携し、防水仕様のARROWS Tab LTEは「お風呂テレビ」としての利用シーンなどを訴求する。
手法としては、これまでの携帯電話サービスにおける通信速度の向上とともにアピールされてきたものと似通う印象だが「LTE×タブレットの組み合わせは、これまでよりリッチで多機能、より快適。タブレットとLTEの可能性とともに、ユーザーの生活シーンも新たなものに変えられる可能性を持っている」と自信を見せた。
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