編集委員のひらたです。暑さ寒さも彼岸まで、といいますが、東京はあの暑かった夏はすっかり去って心地よい秋の日が続いています。みなさんのお住まいの地域はいかがでしょうか。
以前、モバイルルータのすすめという記事を書いたのですが、あれから2年近く経ち、いろいろな製品が世の中にでてきました。記事にしたPHS300はすでに故障、MiFiも手にいれてあったのですが、今回、NTT東日本の光ポータブルが届いたのでレビューしたいと思います。
光ポータブルはバッファローから発売されているポータブルWi-FiのNTTバージョンです。基本的なハードウェアの機能は一緒なのですが、NTTのフレッツに加入していると月額315円でレンタルできてしまいます。また、公衆無線LANサービスのフレッツ・スポットも210円ですので、あわせても525円という結構お安いお値段で利用することができます。
なんで公衆無線LANが必要なのか、というと、この機種がこれまで紹介した普通のモバイルルーターと一番違うところなんですが、WAN側にも無線LANが使えることと、WANの回線切り替えを自動的にするところです。普段は携帯電話のネットワークで接続、自宅や駅、喫茶店のホットスポットでは自動的に無線LANに切り替わり高速接続ができてしまうというわけです。
実際に速度を比較してみると、その差ははっきりします。今回レンタルしたのはSIMフリー版なので、イーモバイル、ドコモ、自宅の無線LANとそれぞれ比較してみました。
gooのスピードテストのサイトで何回か試したところ、回線速度はイーモバイルが1.5Mbps、ドコモだと3Mbpsオーバー、そして無線LANだと11Mbpsでした。もちろん、この数字は厳密な数字ではないのですが、ほぼ体感もそんな感じです。結構、差がでましたね。
ちなみに、ドコモは定額データのSIMではなくではなく、通常のケータイのSIMで、IIJmio のアカウントで IIJ の APN に接続しての数字です。パケホーダイ・ダブルを申しこんでいれば、この接続でも、高いながらも一応定額でアクセスできるのでたまに使っています。無線LANが圧倒的ですが、いやいや、3Gも思っていた以上に速かったです。
もうひとつ、この光ポータブルがいいところはバッテリーが良くもつところです。どれくらい持つのかというと、公称6時間、実際はもうちょっとありそうな感じです。さらに通信していないときには自動的にスタンバイモードになってバッテリーを節約、端末を起動すると自動的にウェイクアップして接続、という具合に実によく動きます。普通につかっている分には、家をでてから帰るまで、まったく電源を気にせずに使えます。鞄にいれたまんまでオッケーです。以前は外部バッテリーを使ってバッテリーを大容量化、なんて苦肉のライフハックを駆使していましたが、光ポータブルだったら単体でいけます。おかげで鞄が軽くなりました。
一度設定して鞄にしまうと、存在すら忘れてしまいがちな光ポータブル。不便を感じているところは、3G の通信設定が一通りしか設定できないこと、例えばイーモバイルとドコモのSIMを入れかえながら使うときには、いちいち設定をやりなおさないといけないんです。でも、これくらいです。いや、すばらしいです。
個人的にお気に入りは iPad と 光ポータブルの組み合わせです。どちらもバッテリーのもちがよいので、とても相性のよい組み合わせになっています。PCを持ち運ぶ機会がかなり減りました。おかげで鞄が軽いです。
さらに充電台を兼ねたクレイドルには有線LANのポートがついていて、自宅では普通の無線APとしても使えたり、複数台でローミングAP化できたり、コンテンツの自動ダウンロード/ストレージ機能があったり、と、若干、無駄と思えるほど高機能すぎるところはあるのですが、現在、世界で最速のモバイルルーターであることは間違いないと思います。
2年前のモバイルルータのすすめでは「まさに歩くインターネット」と締めくくったのですが、2年で進化した今回は「まさに歩くブロードバンド」です。前回同様、とてもおすすめですよ。
(ライフハッカー[日本版]編集委員・平田大治)