呑みに行ったとき、最後はラーメンかお茶漬けで〆よう! なんて習慣の人もいます。では、筋トレでは身体のどの部位で〆ますか? 個人個人で種目や順番は違いますが、ラーメンやお茶漬けと同様、最後の〆にしたい運動はズバリ「腹筋」。最後に腹筋運動をする癖をつけると、思わぬ副産物があります。その理由は、日常生活と密接に関わっているのです。
Photo by Thinkstock/Getty Images.トレーニングする習慣が身に付くと、身体の各部位をまんべんなくバランスよくトレーニングする必要性に気がつく人も多いはず。上半身・下半身、左腕・右腕、腹筋・背筋。偏らずにトレーニングをするのは大切。筋トレの順番は基本的にどこからでもよいですが、最後の〆は「腹筋運動」にするのがコツです。
その理由は、日常生活における腹筋と背筋を使うバランスの問題にあります。歩く・走る・物を持ち上げるなど、日常生活の動作では主に背筋を利用するので背筋が緊張状態です。対して腹筋は意識しないとゆるみっぱなしになり、日常で腹筋を使う機会はほとんどありません。朝に目が覚めて布団・ベッドから起き上がる時は、腹筋は緊張して背筋はゆるみますが、意識せずに腹筋を使う例はあまりないと言えます。
トレーニングを背筋で終わらせてしまうと、背筋は大いに緊張しますが腹筋はゆるんでいます。そのまま日常生活に突入すると、背筋はさらに緊張して疲れ、腹筋はダランとしたままです。
最後を腹筋運動で終わらせると、腹筋側が緊張して背筋はゆるみます。その後、日常生活で様々な動作をすると、適度に背筋が使われて腹筋はラクになります。結局、身体のバランスにも疲労回復にも、腹筋でトレーニングを終えるのが望ましいということです。
なお、時間がないから全身各部のトレができないという時に「背筋だけ」をトレーニングするとバランスが崩れます。同じ時間を使うなら腹筋だけのトレーニングがマシです。
ちなみに、トレーニングをしている人ならよく聞く「超回復」という言葉。一般的な筋トレだと筋肉の修復に48時間ぐらいかかるので、負荷をかけるのは2~3日に1回が合理的かつ効果的です。ただし腹筋はここでも少し別格。足(特に下もも・ひざより下)と腹筋は24時間程度で回復するので、毎日筋トレしてもかまわないと言われます。
筋肉の回復や成長は個人差が大きいので、自分にあったメニューを考えるのが一番。今後トレーニングする際には、ぜひ最後の〆に腹筋を!
(大山奏)