インターネットに掲載されているギャラリーやポートフォリオを一日中眺めて、創造的なアイデアがきらめくのを待ち続けるなんて、誰にでもできることです。しかし、残念ながらこのようなインスピレーションの探しかたというのは、実際には何の生産性もなく、生産的であるかのように「感じさせている」だけなのです。

デザイナーのDavid Mikula氏が、インスピレーションを模索する時間を、実際に自分自身のインスピレーションを創造することに費やしなさいと言っています。その行程は自分が無能であると感じることになるかもしれません。MediumでMikula氏がこんなことを書いています。

インターネットを見て、tumblrやpinterestを使い、そして探し出します。あなたは、有名で、すでに認められている誰かの作品を「キュレート(編集)」するのです。何百ものニッチで素晴らしい成功例を見つけます。あなたのプロジェクトにも応用できそうな成功への方程式がいくつも見つかることでしょう。そしてあなたは自分のチームやクライアントに他人の仕上げた仕事を見せるのです。

自分の考え方を鍛えるためには、この方法は素晴らしいでしょう。でも創造力あふれる仕事を生み出そうとしているときにはそうではありません。これは創造的なプロセスではないのです。

インスピレーションを探そうとすればそうするほど、実際に創造することが出来なくなります。他人が仕上げた仕事を見ることだけにエネルギーを注いでしまうと、彼らのように素晴らしい作品を作り上げるのは不可能だと感じてしまうのです。

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自ら飛び込んで自分の居心地が悪い状況を作り出すのです...どこから手をつければいいか? それはあなたの価値観を他者と共有することを始めればいいのです。誰でもいいです。あなたのアイデアを外に出した瞬間、それは賛否両論の嵐に巻き込まれます。それでも、筋の通る内容であり続けることができるのなら、チャンスがめぐってくるでしょう。そして、たどり着きます──あなたは自分のチャンスを、自分で切り開いたのです。

インスピレーションは、私たちの創造するエネルギーをかきたて、忙しさを感じさせてくれるものです。しかし、生産性や創造性を上げることに関しては、作業がおろそかになってしまいがちです。創造力あふれるインスピレーションを捜し求めているだけの時間は、自分自身のアイデアや経験から学ぶことに充てられたかもしれないのです。

インスピレーションを追い求めている間は、すばらしい創造力にあふれる仕事はできません。良い仕事とは、休むことなく創造し、共有して、アイデアを模索するというたゆまぬ探検、努力の結果なのです。このような模索の過程で、自分が愚かだと感じることもあるでしょう。でも、Mikula氏は言います、「愚かでもいいんだよ、だっていつも賢いばかりじゃ疲れるだろ?」

Don't Waste Your Time on Inspiration|99U

Tanner Christensen(訳:Conyac

Photo by Thinkstock/Getty Images.