Inc:リーダーと呼ばれている人たちは一般的に外向的。他人を引っ張ることに長けていて、普通の人よりあけっぴろげ。社交的なのでネットワーク作りも人一倍積極的、そして、神経も図太く、交渉ごとも得意といったイメージを持たれていることと思います。正しい面もあるのですが、実際のところ、状況によっては内向的な人の方がリーダーとしての手腕を見せることもあるのです。

外向性と内向性というのは流動的なものなのです。自分は内向的だと称している人たちが、外交的とされる特性を発揮することもあります。たとえば、少人数のグループだったり、周りの雰囲気が良かったり、自分の任されている仕事に自信を持っていたりする時です。内向的人間がもつ特性の中には、優れた経営者に適したものがいくつかあるのです。以下、その例をあげていきます。

1. 話す前に熟考する

「内向的であること」と「恥ずかしがり屋であること」、この2つには実は大きな違いがあります。多くの内向的な人は「お前は無口だなぁ!」とよく言われがちなのですが、それは人の話を聞き、情報を吸収し、観察し、発言する前によく振り返って考えているから、という場合も多いのです。話す前に人の話を聞く(真の意味で聞く)ことは、経営者として必須の技能なのです。これが最善の行動に結びつくのです。

2. 物事を深く洞察する

あなたが八方美人的な社交家だと、全体の状況を的確につかむのは、かえって困難になります。その点、内向的な人の方が、しぐさ、声のトーン、他人のおしゃべりなどから手がかりをあっさりと得られます。外交的な人ではつかみにくいものなのです。この能力があることにより、合併や買収を計画するような重大な会議でも、流れを有利な方向へ導いていくことができるのです。

3. 常に外からの刺激を必要としない

内向的な人は、経営職としての仕事をしていない間は、再充電のための時間が必要になるでしょう。ただし、それは内向的な人が閉じこもって本を読んでいるというわけでもありません。年次報告書の作成や売上げのチェックなど、そうした空き時間を一人でするのにふさわしい経営業務に使っているのです。

4. 他人を引き立てる

ここで述べたいのは、内向的な人は自分がスポットライトを浴びるのを、ことさら避けるというわけではないということです。注目を独り占めせず、チームメンバーが注目されることに喜びを感じ、注意を払っているということなのです。これはビジネスの成功のためには第一に必要なことです。誰だって、手柄を横取りして、会議やイベントで自分だけが注目を浴びる上司の下では働きたいとは思わないからです。

5. 共感するのが上手い

これは4にも通じることなのですが、内向的な人はより洞察力を発揮できるため、人に共感する能力も自然に備わります。部署内で起こっている問題なども素早くキャッチできます。彼らは両方の視点で物事を見ることができ、白黒つけがたい微妙な部分でも、丸く治める度量も持ち合わせています。

6. アピールの方法も多種多様

外向的なリーダーは自らのスピーチ能力と魅力によってその場の空気を自然と支配するのに対し、内向的なリーダーは自分なりの方法を工夫します。ある人はストイックに、またある人は自信をみなぎらせたり、計画的かつ緻密に準備したスピーチを行ったりといった具合にです。自分に注目させる方法は1つだけではなく、内向的な人は一人ひとり違ったアピールの仕方を工夫するのです。

管理職に関してはあるタイプが別のタイプより優れているということは決してありません。もしあなたが内向的であると自認していて、会社を立ち上げたり、社員を率いる経営者の器が果たしてあるのか迷っていたりするようであれば、それは問題ないということなのです。必要なのはこういった能力を投資家や株主に明確に示していくことなのです。

6 Reasons Introverts Make Great Managers | Inc.com

Drew Hendricks(訳:Conyac

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