作家のスティーブン・キングは、49冊の小説を出版し、3億5000万部以上を売り上げていますが、毎日少なくとも10ページは執筆しています。作家に限らず、ソフトウエアエンジニアや芸術家など、クリエイティブな仕事で生計を立てている人は、アイデアが浮かばず壁にぶつかった経験を持っておられるでしょう。また、私たちは「少なくとも1日に1回は練習をするべきだ」という使い古された助言を知っています。しかし、そうした助言はどうすれば実践できるのでしょうか。Twitterの製品開発責任者であるBuster Benson氏は、このような壁を乗り越え、クリエイティブな仕事の道を開く助けとなるサイト「750words.com」を先ごろ立ち上げました。彼は、仕事を軌道に乗せるために報酬システム(有名なJerry Seinfeld氏のカレンダーメソッドのようなもの)を利用しています。その考え方は、シンプルなものです。
毎月、何も書かれていないボウリング風のスコアカードを用意します。何かしら執筆できたら1ポイント獲得です。750語以上執筆できたら2ポイント獲得します。2、3日またはそれ以上続けて執筆できたら、さらにボーナスポイントを獲得できます。私が思うに、ポイントはやる気を起こさせます。連続記録を続けようとすることは楽しく、ポイントは、その試みを楽しむひとつの方法です。また、競争心のある人であれば、ほかの人のポイントの状況を見るのも良いでしょう。
Benson氏は、クリエイティブな思考の刺激になるものについて以下のように述べています。
私は『ずっとやりたかったことを、やりなさい』で知った「朝のページ(Morning pages)」と呼ばれる考えに刺激されました。朝のページとは、毎朝3ページ、何かしら頭の中に浮かんだことを、できれば「手書き」で執筆するという訓練です。編集も校閲も行わず、頭の中身をすべてさらすことが肝要です。
考え方としては、1日に3ページ執筆する習慣をつけることで、頭の中が整理され、その後の時間にアイデアがどんどん湧いてくるようにする、というものです。この本に書かれたほかの多くの訓練とは異なって、この考え方は実際に効果があり、本当に役に立つものだと思います。
1日に750語、または50行のコードや1ページ分のイラストを描くことで、創造するという行為を習慣に変えるのです。クリエイティブな作業の壁は、心配したり、先延ばししたりすることで乗り越えられるものではなく、実際に作業をすることでのみ打開できるものなのです。
Use Daily Rewards to Break Creative Blocks|99u
Hamza Khan(訳:Conyac)
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