MakeUseOf:最近の流行語の中でも、「生産性」はもっとも流行っている言葉の1つです。皆、より多くのことをより短い時間で成し遂げるにはどうしたらいいかを知りたがっています。
でもその結果どうなったでしょう?
社会全体の生産性は、飛躍的に向上したでしょうか? また向上したとしても、私たちはより幸せになったのでしょうか? 生産性は大切です。しかしそれは適切な事柄に関する限りの話です。今回は、人生を生産性に支配されないようにする5つの方法を紹介しましょう。
広い視野をもって考える
生産性がすべてではありませんが、アプリやニュースレター、ブログ、ウェブサイトなどから伝わる、効率性に重点をおいた情報に囲まれていると、それを忘れてしまいがちです。確かに仕事をしなければいけない時間においては、生産性や効率性が重要だと言えますが、だからと言って、人生すべての焦点を生産性に当てる必要はありません。
充実して満たされた、意義のある人生を生きることこそが最終的な目標だということを忘れないようにしてください(もし今現在がそうであるなら。皆さんの人生の目標が何であれ、生産性に支配されることはないでしょう)。自分が何を優先に考えているのかを思い出す方法はたくさんあります。
職場に、大きな目標が書かれたビジョン・ボードを作りましょう。いつか訪れたい場所のポスターをはったり、あるいは旅先の画像が切り替わるようにデスクトップの背景画像を設定したりしましょう。「精力を使い果たさないための対策」として、楽しいことを書き出したやることのリストを作りましょう。家族と時間を過ごしましょう。
こういったことはすべて、本当にやりたいことから焦点がずれることを防ぐのに役立ちます。
感謝を心がける
今の世の中は、感謝するということが、あまりにも過小評価されています。感謝の気持ちは皆さんを幸せにし、それが退屈や困難を乗り切る助けとなります。また感謝をすることで、毎日のように降りかかる小さな不満に捕われずに済みます。私たちには積極的に感謝すべきことが多くありますが、安易にそれらを当たり前のことと捉えてしまうと、やがて精力を使い果たしてしまうことがあります。
科学者でさえ、感謝の気持ちが健康的で充実した生活につながることに気づき始めています。社会学者のChristine Carter氏は、皆さんの心の中にある、ゆったりと構えて感謝の気持ちを持って行動する部分、「スイートスポット」について述べています。
何に感謝しているかを考える時間を毎日とり、感謝の習慣をつけましょう。
感謝の気持ちを自分の中心に据えるには、感謝の日記をつけ始めると良いでしょう。何時間もかける必要はありません。1日の始まりか終わり(または両方)に、自分が感謝していることをいくつか書き出しましょう。そうすることで、感謝の気持ちに注意を向ける習慣をつけるのです。
また、「The Daily Gratitude」や「Gratitude Reminder」を読んで感謝することを思い出しても良いですし、Twitterで「@GratitudeWriter」というアカウントをフォローすることで、毎日Twitterのタイムラインに感謝に関連するツイートが表示されるようにするのも良いでしょう。
何のための生産性なのかを思い出す
最近Paul Dolan氏の著書『Happiness by Design』を読みましたが、そこに書かれていた漁師とビジネスマンが登場するたとえ話は、生産性の目的に関する大事な教訓を与えてくれます。もし聞いたことがなければ、こちらの短い動画をご覧ください。
漁師は人生に、ビジネスマンは生産性に焦点をあてていることは明らかです。しかし、その目的は何でしょう? ビジネスマンは生産性を上げてお金を稼ぐことで幸福な人生が手に入るという見解を持っていますが、漁師には真実が見えています。何も遠回りをせずとも、すでに幸福な人生は手にしているというのです。
この寓話を自分の人生に反映させることができます。以下の質問に答えてみましょう。
・キャリア上のゴールをより早く手に入れるために、プロジェクトに着手しようとしていますか?
・収入は上がるが、束縛される時間は増えるような仕事に就くことを検討していませんか?
・生産性に焦点を当てている時に、見落としてしまっているものは何ですか?
これらの質問に対する答えから、自分が適切なことに焦点を当てているのか、あるいは目先の物事をやり遂げることに焦点を当てているだけなのかがわかるでしょう。
ストレスマネジメントを身につける
生産的であることがストレスにつながる場合もあります。世の中に出回っているさまざまな生産性マネジメントシステムの背景には、システムがあることでストレスが軽減され、より生産的になれるという考えがあります。
しかし、タスクの達成のみに焦点をあてること自体が、ストレスにつながる場合もあります。特に物事が計画通りにいかない時はそうです。また、大抵は計画通りに行かないものです。
予定外のミーティングに引きずりこまれたり、子どもを病院に連れて行かなくてはいけなくなったり、プロジェクトに遅れが出たり、自分が病気にかかったり...これらはすべて、障害となり、皆さんの計画を狂わせる場合もあり、そうなればさらにストレスが増すことになります。
ですから、必ずストレスマネジメントにも時間を割くようにしましょう。ストレスを感じ始めたら、数分間の時間をとり、深呼吸をしましょう。瞑想を朝行っても良いですし、仕事の後に運動やヨガをするのも良いでしょう。そして寝る前に日記を書く時間を少しとりましょう。週末をキャビンやスパで1日を過ごすだけでも良いので、休みをとりましょう。
マインドフルネスの習慣をつけるのもストレスマネジメントに役立ちます。マインドフルネスの訓練を重ねることで、自分の気持ちに目が届きやすくなり、健康で穏やか、そして効果的な形でそれに対処する方法を学ぶことができます。マインドフルネスは生活のあらゆる場面で取り入れることができます。ネットサーフィンをしている時ですら!
趣味やプライベートな活動を続ける
生産性に焦点を当てていると、趣味や本業ではないプライベートな活動といった、人生における他の大切な部分を犠牲にしがちです。しかし、これらは精神の健康のためだけでなく、生産性のためにも重要な要素なのです。
日常の外にある物事に取り組むことは、創造性を高めたり新たな問題解決法を習得したりするのにとても役立ちます。また仕事を忘れさせてくれるためストレスの軽減にもつながり、多くの場合、身体的な健康も改善されます。
新しいことを学ぶ時間を確保しましょう。語学を学んでも良いですし、Arduino(アルドゥイーノ:初心者でも簡単に扱えるマイコンボード)を使って電子工学を学ぶのも良いでしょう。
オンラインでプログラミングを楽しみながら学習することもできますし、新しいスポーツを始めたり、小説を読んだり、あるいは配偶者や子どもと新しいボードゲームをするだけでも良いでしょう。何をするにせよ、そのための時間を必ず定期的にとるようにしましょう。
仕事に関連するサイドプロジェクトでも構いません。3M社などの一部の企業は、仕事とは直接関係のないサイドプロジェクトに取り組むための時間を一定時間社員に与えています。それにより社員はより創造的に考えられるようになり、仕事に対する満足度も高まるのです。
それに3M社のような会社が実践しているのですから、何らかの利点があるに違いありません。ですから、皆さんもそういった時間を必ずとるようにしましょう!
生産性を適切な位置に据える
生産性と効率は重要です。誰でも仕事を終わらせ、お金を稼ぐ必要があります。ですが、それらは人生における唯一の優先事項ではないことを忘れないでください。優先すべきことは他にもありますし、中には仕事よりもずっと大切なものもあります。
前述の方法を活用して生活のバランスを保ち、すべての精力を使い果たさないようにしましょう。生産性を向上させる役に立つ戦略を必要な時には活用しつつも、他のことにも目を配るのを忘れないようにしましょう!
5 Ways to Keep Productivity from Taking Over Your Life|MakeUseOf