将棋の女流3級、カロリーナ・ステチェンスカさん(25)=ポーランド出身=が20日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われた第44期女流名人戦の予選準決勝に勝ち、規定を満たし、女流プロ棋士(2級以上)への昇格を決めた。外国人棋士は男女を通じて史上初。
ステチェンスカさんは平成25年に女流棋士を目指して来日。留学生として山梨学院大に通いながら、女流棋士養成機関「研修会」に入会。27年に規定の成績を挙げ、「女流棋士仮資格」に該当する女流3級への昇級を果たした。
女流3級は仮資格のため、正式資格である女流2級に昇級しないと資格は剥奪される。女流2級への昇格は女流3級になって2年以内に、(1)1年間で参加公式戦数と同数の勝ち星(2)2年間で参加公式戦数の4分の3以上の勝ち星(3)昇段級の女流1級に該当-のいずれかを満たすことが条件。
ステチェンスカさんは女流3級となって以降、あと1勝で女流プロ棋士という対局が2回あったが、いずれも敗れていた。女流3級2年目のステチェンスカさんはこの日の勝利で決まった同予選決勝進出が「女流1級に該当」の条件を満たすことになり、昇格が決まった。
ステチェンスカさんは20日、貞升南初段(30)と対戦し、勝利した。
日本将棋連盟の佐藤康光会長は「厳しい道のりでしたが、見事な戦いぶりでした。将棋界初の外国人女流棋士として、これからますますの活躍を期待しています」とコメントした。