現職に新人5人が挑む西之表市長選 馬毛島基地整備の是非は?…第一声で見えた〝6者6様〟の焦点と訴え

 2025/01/27 06:03
自衛隊基地の整備が進む馬毛島=10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から撮影)
自衛隊基地の整備が進む馬毛島=10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島県西之表市の馬毛島で米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備が始まってから初めての西之表市長選が26日スタートした。計画段階だった2017、21年は実質的に基地の賛否が問われ、各候補者は出陣式で考えを説明。既に工事が進む今回は馬毛島について語らないケースも見られ、焦点が基地の是非から、市の未来をどう形づくるかに移りつつあることをうかがわせた。

 基地整備に賛成の立場を取る池田恵衣子さん(70)は、以前から「賛否を言う時期は終わった」と指摘。第一声で馬毛島に触れず、支援者への感謝や立候補の決意とともに、選挙運動での強い後押しを訴えた。

 鮫島斉さん(47)は反対から容認に変わった経緯を説明。現状を踏まえ、基地反対派が当選することの危うさや財政面からみた米軍再編交付金の必要性を主張し、あいさつの約4分の1を馬毛島に費やした。

 唯一、基地整備反対を掲げる三宅公人さん(72)。約6分半のうち4分を割き、騒音の懸念を強調した。一方でFCLPを見据え、環境基準の順守や違反時の対応など「防衛省と粘り強く交渉する」とも語った。

 八板俊輔さん(71)は13分50秒の第一声で、最後の約3分半を馬毛島問題に充てた。種子島上空の飛行禁止や市民生活への影響について国と協議中とし、「交渉に当たるのは自分しかいない」と力を込めた。

 基地誘致に取り組んできた鎌田孝章さん(45)も馬毛島を取り上げなかった。4分45秒のあいさつでは、産業振興のあり方などを問題提起。出身者が安心してUターンできるまちづくりの実現をアピールした。

 基地賛成派の浜上幸十さん(74)はほぼ全ての時間を使い、推進への思いを語った。経済効果や防災力強化を期待しており、「自衛隊に協力し、自衛隊からも協力を得て、西之表を活性させよう」と呼びかけた。

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