2023/04/03 - 2023/04/08
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2023/04/06
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華岡青洲の功績を知ることができる「春林軒」へ。
父と同じく医者の道を志した青洲は、23歳で京に上って勉学に励み、3年後には故郷の平山(現・紀の川市)へ戻ります。
さまざまな薬草の調合を繰り返した後、曼陀羅華(マンダラゲ)などを主成分とする麻酔薬「通仙散」を完成させ、文化元年(1804)世界初の全身麻酔による乳がん摘出手術を成功させました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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4月6日(木)旅4日目
17:58
和歌山城を見学した後、和歌山駅で橋本方面行きの電車を待っていたら、隣のホームに「たま電車」がいました。 -
中も外も「たま」尽くし。名前は聞いたことがあったけど、こんなに可愛い電車だって知りませんでした。
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18:29
下井阪駅に到着。
無人駅のため降車口は先頭車輌のドア1つだけとなり、ワンマンカーの車内で精算します。駅名のアナウンスが流れると、後方車輌に乗っていた人たちが移動してきて1列に並びだしたのが面白かった。 -
駅舎はなく、ホームから駐輪場を通って道へ抜けます。前方にホテルの明かりがなかったら、こんな所で降りてどうしよう・・・と、泣きたい気持ちになったかも。
下井阪駅 駅
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駅から徒歩10分。周りに高い建物がなかったので、ホテルの明かりを頼りに迷わず到着できました。ここに2泊します。
インターからはそんなに遠くないようなので車利用ならいいけれど、周りにコンビニはないし、駅から歩いての利用は私くらいだったかも。バス停も近くに無かったような。歩いている時にタクシーも見かけませんでした。ホテルルートイン紀の川 宿・ホテル
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2022年11月にオープンしたばかりなので、ホテル内はどこもきれい。ベッドの枕元に、コンセントやUSB充電があったりと便利です。
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19:30
外に出るのが面倒なので、ホテル1階にあった「和み」で夕食。 -
メニューは、そんなに多くありません。
ホテル内に大浴場(ラジウム人工温泉)があるので、お風呂上がりに軽く一杯といった利用が良いかも。 -
夕食を済ませてから部屋に戻って、明日の行動予定を練り直し。
旅行前から分かっていたことだったけれど、どうやら明日は雨みたい。高野山に行きたくて、橋本駅まで移動しやすいようなホテルを選んだけど、雨の中を歩き回りたくないし・・・
今回は高野山が私を呼んでくれなかったと思って悩みに悩んだ末、予定変更を決めたのは深夜3時過ぎ。
ホテルから、道の駅「青洲の里」が徒歩圏内にあることが分かり訪ねることにしました。
華岡青洲の名を知ったのは、有吉佐和子さんの著書に初めて触れた『華岡青洲の妻』を読んだ時。嫁・姑の凄まじい確執に焦点をあてた作品が衝撃的でしたが、青洲の功績の描写は少なかったので、春林軒で偉業を学んできます。 -
4月7日(金)旅5日目
寝たのが遅かったので、ホテルを出たのは正午頃。下井阪駅から名手駅へ。
名手駅前には1台だけタクシーがいましたが、苦手なので徒歩で青洲の里へ向かいます。バスは走ってないみたいでした。
風はあるけど雨はまだ小降りだし、撥水の上着と折りたたみ傘で頑張らなきゃ。名手駅 駅
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歩道で発見。
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次に見つけたのは、華岡青洲に因んだ花でした。
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雨の中、駅から歩くこと30分。道の駅 青洲の里に到着。
道の駅 青洲の里 名所・史跡
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医・食・自然・健康をテーマとして、華岡青洲に関する展示室(無料)や、地元で採れる旬の食材を使ったレストラン、ふるさと物産ショップなどがあります。
広い休憩場もあって、地元の方が談話室として使っているような光景も見られました。 -
マンダラゲの花をモチーフに建築家・黒川紀章が設計。
フラワーヒルミュージアム 美術館・博物館
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13:11
まずはランチ。「レストラン華」でバイキング1,500円。地元産の旬の野菜を中心として、健康を重視して作られているので見た目の華やかさはありません。 -
13:45
華岡青洲の像に一礼して、春林軒へ。 -
春林軒 入館料200円。
主屋と蔵は当時そのままの建物で、その他の建物は発掘調査資料などに基づいて復元されています。春林軒 名所・史跡
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「華岡家発祥之地」碑。
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麻酔を開発し外科的手術を行った青洲の名は全国に広がり、入門希望者が多数集まって自宅が手狭となったため春林軒が新築されました。
のちに大阪に作られた分校(合水堂)と合わせた門人の数は2000人余り。全60余州のうち、入門者のなかったのは九州の壱岐の国だけだったそうです。 -
近隣に移築されたものを元の場所に移築して再現された主屋。入り口の西側には式台のある玄関が設けられ、建物内部の右側は主に医療施設でした。
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主屋の居住空間。
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客間。
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客間前にだけあった装飾。
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手術室兼薬調合室。清潔を保つため板の間になっています。
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百味箪笥
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百味箪笥
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薬棚
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華岡家に残る薬草標本『薬品枯葉』
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薬だけではなく手術器具も開発しています。
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主屋では、手術風景や家族の協力を得て行った麻酔の実験、門弟に講義をする様子などが人形を使ってリアルに再現され、近付くと音声が流れました。
動物実験だけでなく実母・於継と妻・加恵の協力により20年に及ぶ人体実験を繰り返し(親戚も協力したという記述もあります)、曼陀羅華など数種類の薬草を配合した麻酔薬通仙散(別名 麻沸散)を完成。
文化元年(1804)10月13日 華岡青洲は45歳で世界に先駆けて全身麻酔下による乳がん外科手術を成功させました。
・・・・・・・・・
通仙散開発の治験に協力した妻・加恵は副作用により失明、実母・於継は命を落としています。 -
花岡青洲に関する年表
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年表
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年表
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廊下から扉で仕切られ付随するようにあった小さな建物は便所のようです。
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当時は当たり前だった汲み取り便所→堆肥としての使用を避け、感染対策のために携帯便器に排泄して、それを都度外に捨てに行くという方式。
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江戸時代の医療施設の建物で、すでに感染予防措置をとっていました。
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南長屋。母屋の南に位置する建物で、内宿と呼ばれた門人の部屋や、薬を煎じるための炉、薬調合所などがあります。
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内塾(門下生の部屋)。
門下生に免状を与える際、伝授される高度な医療が未熟な術者によって行われることを危惧し、教えをみだりに他人に漏らさないことを誓わせた「奥伝誓約文之事」を提出させたそうです。 -
膏薬精煉所。薬の精製には薬研や炉を使用。
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薬草。
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『唯思起死回生術』
これは門下生が春林軒を卒業する際に渡された青洲の自画像に添えられた漢詩で、医師としての心構えを諭したものの一節。
「ただ思うことは、瀕死の患者を救う医術のことだけである」
晩年には、時の紀州藩主に認められて公職に就いた青洲でしたが、月の半分は春林軒に戻り一般診療を続けました。 -
通仙散は、内服後に麻酔が効き始めるまで約2時間、手術を始められるのは約4時間後、目覚めるまでに6~8時間と、現在の麻酔と比べて格段の時間を要するものだったそうです。
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表門を入って右にあるのは、住み込みで華岡家の雑用を行う男性使用人の部屋。部屋の北側には、馬を飼育する厩がありました。
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病室。
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病室横にあった2段構えの浄化槽。
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最初の桶に流入した排水の汚物や固形物を桶の底に沈殿させ、上澄みだけをオーバーフローで次の桶に流入。再び沈殿・浄化を繰り返し、上澄みのみを屋外に配水させ医院全体が汚染しないような設計。
200年以上前に排泄物ばかりではなく、食事や洗濯の排水にまで感染予防対策をしていたなんて驚くばかりです。 -
米倉兼使用人部屋。
建物の西側は米蔵。東側は2階建てで、2階には住み込みで花岡家の家事などを行う女性使用人の部屋があり、1階は土間で味噌などを貯蔵していたようです。 -
雨がどんどん強くなっていきます。
約1時間見学しましたが、雨のせいなのか知名度が低いのか、出会ったのは一組だけで5分くらいで出て行かれました。 -
この蔵は春林軒が建てられた当時から唯一その場に残されていた建物で、内部は一部が2階建てになっていて、1階には家屋修繕用の木材、2階には往診用の籠が保管されていたそうです。西側にも蔵があり、薬蔵として使用されていました。
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名残惜しくて建物のまわりをもう一周。ドラマのセットではなく、実際にここで治療が行われたり、医学を教えていたんだと思うと去り難い気持ちになりました。
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高野山を参拝する旅とは大きく予定が変わってしまいましたが、ここに来て良かったです。
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15:00
フラワーヒルミュージアムに戻って、展示室を見学。入館無料。 -
マンダラゲの造花。
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春林軒模型。
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ここから先は撮影禁止。
展示室は小さな施設ですが、青洲が使っていた手術器具や資料・標本などがあって見学に30分かけました。 -
お土産コーナーに、華岡青洲が考案したという紫雲膏のポスターがいろいろ貼られています。軟膏も売っていたようですが見逃しました。
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道の駅には、華岡青洲顕彰記念公園や華岡家代々の墓所も隣接していましたが、雨が強くて見学を断念。フラワーヒルミュージアムというくらいだから、花もきれいに咲いているはずだけど、このまま帰ることにします。
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駅に戻る途中にあった名手宿本陣。
大和街道に面していたため藩主の参勤交代や鷹狩りの際、宿泊に利用された妹背家の住宅。華岡青洲の妻・加恵の実家でもありました。入館無料。 -
閉館時間のため係の方が施錠されていたので、その方が通り過ぎてから写真を撮ったら、振り返って「開けましょうか?」と声をかけてくださったのですが丁重にお断りしました。本当は、とってもとっても見たかったけど。
史跡旧名手宿本陣 名所・史跡
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横に回り込んで、垣根の隙間から撮影。
主屋、座敷部が保存され、国指定重要文化財・国指定史跡となっています。 -
16:43
名手駅から下井阪駅に戻ると、やっと雨が小降りに。下井阪駅 駅
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ホームにあった列車運行情報システムには、倒竹による運転見合わせの表示が。列車の本数が少ないのに止まってしまったら、地元の方も困るでしょうけれど、観光客としては途方に暮れるしかないかも。影響のない電車に乗れてよかった。
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足もとには「ワンマン電車乗車口」の表示。バスみたいに乗車口が限られているのが面白いです。
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駅から徒歩2~3分で大通りに出られます。
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17:00
夕食は、国道に出た所にあるスーパーで買い出し。近くにファミレスもありましたが、ホテルでの部屋食にします。 -
ほとんどの物が割り引きされていたので、夕食代2,300円と安く済みました。
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18:17
買いすぎたかなと思ったけれど、テレビを見ながらゆっくりといただきます。 -
紀州名物じゃこ寿司。
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小魚を素焼きして甘辛く煮つめて酢飯に乗せ、柿の葉で巻いた郷土料理。初めて食べましたが、ほどよい甘さでパクッと完食。
食後は外へ出ることもせず、翌日のプランを考えながらのんびりと過ごしました。
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