◇踊る言葉、偏る外交、バラマク外交
たった3年3か月の中で、普天間基地移転問題、尖閣諸島中国漁船衝突事件、李明博大統領の竹島上陸、尖閣国有化に伴う中国各地での暴動など、強烈に印象に残る外交事案が次から次へと起こりました。それも日本にとってマイナスなものばかりです。
そして「トラストミー」「東アジア共同体」「鳩山イニシアチブ」「平成の開国」と言葉ばかりが踊り、中身がほとんど伴わない外交だったと感じます。
民主党政権の外交を地域別にざっくり分類してみましょう。
アメリカにしたこと、されたこと
・「最低でも県外」「トラストミー」発言で普天間基地移転の混迷
・「平成の開国」でTPP参加検討を表明
・玄葉外相、沖縄日米地位協定の運用で合意
中国にしたこと、されたこと
・鳩山総理東シナ海ガス田での大幅譲歩・岡田外相の日中韓一つの教科書発言
・フジタ社員4名中国で拘束
・レアアースの日本への輸出禁止
・尖閣諸島中国漁船衝突事件での中国漁船船長の釈放
・23分間の日中首脳会談でメモを見続ける菅総理
・震災時、中国救援隊を国賓待遇
・尖閣国有化に伴う中国国内での暴動
・岡田副総理が尖閣諸島付近での中国艦船と距離を置けと指示
・中国国債100億ドル購入
韓国・北朝鮮にしたことされたこと
・岡田外相の日中韓一つの教科書発言
・岡田外相「竹島は不法占拠されている」を言わない
・菅談話による謝罪
・韓国に気を使い防衛白書発表を先送り
・朝鮮学校無償化への腐心
・大韓航空機事件の犯人・金賢姫来日・震災時、韓国救援隊を国賓待遇
・日韓図書協定による朝鮮王室儀軌など引き渡し
・通貨スワップを700億ドルに拡大
・円高放置による韓国企業優遇
・キムチ・ヒラメの韓国からの輸入検疫を緩和
・土肥議員が日本の竹島領有権主張中止求める宣言に署名
・前原外相が韓国人からの献金を受け取る
世界にしたこと、されたこと
・東アジア共同体構想の発表
・インド洋給油活動停止
・アフガンに50億ドル、パキスタンに20億ドル支援の表明
・鳩山イニシアチブで途上国支援に1兆7500億円拠出
・二酸化炭素排出「90年比で25%」宣言
・菅総理G8サミットで一人ぼっちに
・メドベージェフ大統領の北方領土訪問
・「平成の開国」でTPP参加検討を表明
・G20で震災の日本支援を盛り込んだ共同声明を採択
・ニュージーランド地震に自衛隊派遣
こうやってみると、どれだけ民主党政権の外交が中国・韓国に偏っているかがわかると思います。特に中国、韓国には、こちらから媚びる態度、卑屈な態度を見せ、後手後手にまわり、下出下出で対応するので、足元をみられて相手が増長するばかりでした。その結果が、尖閣諸島中国漁船衝突事件であり、尖閣国有化による中国各地での暴動であり、李明博大統領の竹島上陸です。政権が放つブーメランは、国民の生活、国益に直接返ってくることがわかりました。無能な馬鹿を総理にしてはいけないのです。自らの体裁だけを気にして、国益を損なうだけ損なってきたのが民主党政権です。
民主党政権で信頼を失いボロボロになった日本外交ですが、その後安倍総理が見事に修復し、日本の存在感を確固たるものにしてくれています。外交は生き物です。目先の出来事に一喜一憂せず、長い目で見ることが必要です。安倍総理は、しっかりとしたビジョンを持っているように感じます。だから、安心して日本の外交を見ていることができるのです。
その場限りの「ええかっこしぃ~」では外交はできません。鳩山氏と菅氏が教えてくれました。