人間と機械の心理学
- 作者: ドナルド・A・ノーマン,安村通晃,岡本明,伊賀聡一郎,上野晶子
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2008/10/25
- メディア: 単行本
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を読んだ。『誰のためのデザイン?』で有名なノーマンさんの著書。未来のモノというのはいわゆる知的システムととらえてよさそう。例として上がっているのはスマートカー、スマートホーム、賢い家電など。推薦システムも未来のモノとして取り上げられている。タイトルからはちょっとわからないが人工知能とも密接に関係している本だった。まあ今は人工知能とは言わず、環境知能(アンビエントインテリジェンス)とかスマートなんたらとか言うのが流行みたいですが・・・
この本の内容をまとめた機械と人間がコミュニケーションするための五つのルールというのが面白かった。よりよい知的システムを作るための基本ルール!
機械と人間がコミュニケーションするための五つのルール
(1) 人間は単純な思考を持つので、噛み砕いて話そう。
(2) 人間は「理解する」ことにこだわるので、彼らが理解できるストーリーを与えよう(人間はストーリーが好きである)
(3) 人間は疑り深いので、何らかの理由を彼らのために作ろう。そのようにすれば、彼らは自分たちで決定したと考える。
(4) 人間は実際にはそうでなくても制御していると感じるのが好きである。彼らに調子を合わせてあげよう。我々が重要なことをしている間に、人間には簡単にできるものを与えておこう。
(5) 人間は自信がないので、いろいろ安心感を求める。彼らの情動につけこもう。pp.228-229
すごく参考になる(笑)上のは皮肉っぽく書いてるだけでまじめに提案しているルールは別にある。この本の中で五つのルールの具体例がたくさん述べられている。
Human Computer Interaction (HCI) やHuman Agent Interaction (HAI) の観点から見た機械学習というのは面白そうなテーマだなぁ。というか初めて機械学習という言葉を聞いたときは人間とのインタラクションから学習するようなアルゴリズムを想像していた。Relevance Feedbackは私がイメージしてた機械学習に近いのだが、普通は情報検索の分野とされる。一般的な機械学習アルゴリズムというと分類とかクラスタリングなのだがこれはイメージと違うなという感想を持ったのを思い出す。何か「バッチ処理的」なんだよなぁ。HCIやHAIの最新動向を調べてみたくなった。
関連リンク
- Human Agent Interaction(2003/12/28)
- 強化学習における人間とエージェントのコミュニケーション(2003/12/31)
- 強化学習における人とエージェントの相互作用(2004/1/14)
- 初期誘導学習(2005/9/21)
- 天知、地知、我知、子知、機知(2006/10/3)
- 人工知能は究極の自動化(2005/7/3)
- すべてを自動化する(2006/4/29)
- 人間の人間的な利用(2007/10/14)