毎年、正月に登っている綿向山が令和8年末まで間伐作業と作業道開設工事のため通行止めとなっているので、その代わりと言っては何だが、この時期、こちらも霧氷で有名な三峰山に足を延ばした。

前日の天気予報では当日の黎明前に降雪があり、昼からは青空が広がる模様。
期待値マックスでいつものように昼下がりから登山口を過ぎると、ちょうど下山してきた女性2人組とすれ違い挨拶を交わす。
そこで山の情報を訊こうかとも一瞬思いはしたが、後のお楽しみ、グッと堪えてストックを握り直した。

半時間ほどの体感時間が長い緩やかな坂となる林道を歩き終え、いよいよ山道に入る。
不動滝を超えるあたりから雪道、アイスバーンになるかと10本爪アイゼンを準備していたが、ほぼ雪なしトレイル。

稜線の登尾ルートとそこまで歩いてきた不動滝ルートの交わる小屋の少し手前からようやく積雪が見られたが、両脇の冷風に晒された裸の樹々がなお寒さを助長していた。
青空もなく、霧氷もない、ああ無情、無氷。
心も無表情になる。

それでも八丁平に着くと、雲の隙間から日差しが見え始め、遠くの山々の夕映を拝むことができたのがせめてもの救い。

その後、風が強いこともあり、身の危険を感じるほどの寒さを凌ぎ、遅すぎる昼食を摂るために先ほど通り過ぎた小屋に戻った。

下山中、標高を下げていくと気温も上がり、自然に覆われた周りの状況により体温が安定していった。

登山口に到着すると、見上げた星空があまりにも鮮やかで美しかった。