大きめのりんご(220g)を5個使ってタルトタタンをつくった。
パイ生地が良い感じにつくれるようになったので、パイ生地料理もいけるかも、と張り切って挑戦してみた。
初心者なので、クリームソースをパイの器に盛りつけるだけのお料理にしましょ。le vol-au-vent または les bouchées à la reine という。
何が違うか調べたら、ただ単にサイズの違いだった。 数人で取り分けるような大きなサイズを vol-au-vent というらしい。
bouchées à la reine はそのへんの肉屋やお惣菜屋はもちろん、スーパーのお惣菜コーナーにもあるほどポピュラーなお料理。
レストランでは、ひとり分サイズでも vol-au-vent と書いてあることが多いかしら。ris de veau (仔牛の胸腺)など高級部位が使われがち。
パイ生地さえ準備すれば、あとはベシャメルをつくり、タマネギとエシャロットとマッシュルームを炒めて合わせるだけ。
今回はホタテを追加してみた(それにしても、フランスでホタテって高いのね!私はふだん海産物を買わないため魚介の相場に疎く、値段みてびっくりした)。
パイ生地は無事モコモコ膨らみ、中身のクリームソースもおいしくできてよかった。
夫が「今日なにかの日だったっけ?」と聞いてくるほど派手な見ためのわりには、つくるのはかんたん。前日にパイ生地をつくる時間さえあれば。
おいしいパイ生地の秘訣は、おいしいバターにきまっている。
私がバターを選ぶ基準は beurre cru かどうか。高温殺菌していないクリームでつくられたバターのこと。これが好き。
たくさん使うお料理用には、スーパーで買える Le Gall を愛用。品切れのときは、モノプリのプライベートブランドで妥協。
パンと一緒にそのまま味わうなら、パリで常時買えるバターのなかでは今のところ、このバターが好きかな。
マルシェのチーズ屋でときどき買う。ボンマルシェにもあるけれど、やはりボンマルシェ価格なので...
そのボンマルシェに先日行ったら、エシレバターをごっそりカゴに入れている日本人観光客がいらした。
モノプリでも、これから帰国なさるのか、保冷バッグ完備で大量買いしている方を見かけた。
私の感覚では、エシレは数あるスーパーのバターのひとつに過ぎないので、日本では「バターといえばエシレ」の如く最高峰に君臨しているのがとってもふしぎ。
商社の戦略かしら。べつのメーカーが選ばれていれば、今ごろはそれがもてはやされていたのかも。
あらゆるバターを食べくらべた結果としての「エシレ最高、大好き」なら微笑ましい光景ですが、そうでないなら、はるばるフランスまで来たならばほかのバターに目を向けてみても...と思わなくもない。beurre cru は日本で買えないと思いますし...いえ、まったく本当によけいなお世話ね。