2010年はあとわずか。
今年の猛暑は30年に1度の異常気象と認定するほど
今年といえば、いちばん感じたのが酷暑ですね。
それはさておいて
今年も私なりに気になった古生物の新種やニュースを
つづります。
【1月】
「恐竜の体色が判明!」
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10446768665.html
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10451791749.html
有史以前に絶滅してしまった恐竜や古生物の体の色は何色なのか・・・。
そんなものは判らないといわれましたが、
それらの恐竜の羽毛化石にはメラノソームというメラニン色素をつくる
細胞小器官が発見されたのです。
これで当時生きていたこれらの恐竜の体色がわかるというものです。
上の図はそれをもとにした復元図。
しかし、メラニン色素なので黒系と暖色系しかわかりませんが。
青とか緑とかまだまださっぱりです。
【6月】
「バージェス動物群のネクトカリスの新復元」
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10569970893.html
頭がエビ系、胴体が魚系とキメラ動物のようなネクトカリスは
数々の化石の発見から、その実像が浮かび上がり、
エビでも魚でもなんでもなく、実はタコやイカの仲間「頭足類」
だったことがわかったそうで、最古の頭足類となった。
【7月】
「メガロドンの競合相手の大物新種古生物を発見!」
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10579129155.html
その名も「リヴァイアサン」!
マッコウクジラは世界最大の肉食動物ですが、
こいつはその上を行く強食者!
マッコウクジラは下顎のみに歯があるが、
こいつは両顎に歯があり、30cmを越える大きな歯をもっていたという!
リヴァイアサンの生息した1300万年前の海は非常にクジラ類が栄えた時代で
こいつはクジラ類を豪快に捕食していたという。
まったく同じ海に15mはあろうかという巨大鮫メガロドンも生息しており、
獲物であるクジラ類をめぐり、頂点捕食者の座を争っていたことだろう。
「トリケラトプスとトロサウルスは同属だった?」
http://ameblo.jp/oldworld/entry-10595137803.html
トリケラトプスとトロサウルス、お互い似た姿の恐竜ですが、
これが実は研究で進めていくうちに同属であり、
トロサウルスの方が、断然フリルが大きいけど、トリケラトプスの成長
するにつれ、フリルが発達し、トロサウルスはその延長線というもの。
このブログのコメントでも
トリケラトプスと違ってトロサウルスにはフリルに開口部があるという
意見をいただきましたが、トリケラトプスにも成長するにともない、フリルの
開口部にあたるところが薄くなる傾向にあるのだとか。
【8月】
モササウルス類のプラテカルプスの標本を調査した結果、
プラテカルプスの尾は魚のような三日月型の尾鰭を形成していたことが
わかったというもの。
その姿はウタツサウルスなどの原始的な魚竜に似ており、
また魚竜が絶滅した頃にモササウルス類が現れた。
これはモササウルス類が魚竜の生態的地位を取って代わるように思わせる。
モササウルス類は6500万年前の大量絶滅で恐竜とともに絶滅したが、
絶滅せず、そのまま進化すればイルカのような姿になっていたかもしれない。
「新種の角竜 コスモケラトプス」
今年は新種の角竜の当たり年といえよう。
中国からは初のケラトプス科「シノケラトプス(Sinoceratops zhuchengensis)」
メキシコからは初の角竜「Coahuilaceratops magnacuerna」
世界中で10種以上の新種が報告されている。
その中でも、もっとも目立ったのかこの角竜だろう。
「コスモケラトプス」
頭に15本の角をもつという棘々しそうな角竜だが、
どの角もコブになったり、違う方向に曲がったりという
安全対策が施されているという・・・。
フリルの10本の角はフリルごと折れ曲がっているが、
このブログのコメントではフリルの縁が折れ曲がることにより、
フリルの強度が増しているというなるほどなご意見もいただいた。
スペインで発見された新種の恐竜「コンカベナトル」
見てのとおり、腰のうえに不自然な突起物が目に付くだろう。
実際、どのような機能があったのか不明であるが、
ここにラクダのごとく、脂肪分を蓄えていたとかいわれていた。
また、コンカベナトルはカルカロドントサウルス類という大型獣脚類の
仲間で、腕に羽毛があるというこのグループでは初の羽毛恐竜である。
【10月】
3600万年前の海で泳ぎ回っていたという
エンペラーペンギンの体重の2倍ほどもある
新種のジャイアントペンギン、「ペドロ」。
ペルーのパラカス国立公園内で化石が発見されたそうだ。
化石からメラノソームが取り出され、
このペンギンの体色までわかったそうだ!
ペンギンといえば白黒の配色だが、
このペンギンでは背側が灰色、腹側が茶色という。
後にペンギンの仲間は水中でのカモフラージュが効くように
背側が黒、腹側が白になったとか。
2010年の古生物ニュースは新種角竜の当たり年でありましたが、
アンキオルニスや巨大ペンギン「ペドロ」のメラニン色素で
限定的であるものの古生物の体色のわかったという目新しい内容も
印象付けられましたね。
あと
★アノマロカリスの口は軟弱で三葉虫の殻を噛み砕けなかった
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101104004&expand#title
★ウミサソリのハサミの挟む力はわずか5Nで硬い貝殻を砕くことは
できず、捕食者ではなく腐肉食者だったという、
いままで古生代の海の強食者だと信じたものが覆されるニュースも
気になるところです。
今年は中国の古生物新種発見がおとなしめだったのでは。
2009年からですが南米あたりがちょくちょくきてます。
というわけで今年も残りわずかですが
良いお年を!