タイトルは近藤紘一 氏の著作である。
年末に複数の友人から、多数の書籍をいただいたのだが
そのうちの1冊がこの「戦火と混迷の日々」である。
この作品は
あのポルポト時代の4年近くを
カンボジアで過ごした日本人女性の物語が中心である。
近藤紘一氏が亡くなった当時
私は彼の存在を知らなかった。
東南アジアにも国際情勢にも興味を持たない
田舎の学生だった。
しかし、この本を始めて読んだ頃には
東南アジア情勢の知識は多少なりとも持っていたし
だからこそ
あのポルポト時代を
カンボジアで過ごした日本人女性がいた
(そして生き抜いた)
ということ自体、
知らなかったことを恥じると同時に
その衝撃は言葉に言い表せないものだった。
実は近藤紘一氏の作品、文春文庫になっているものは
全て買い揃えているが、実家に置きっぱなしである。
氏の文章は表現力もさることながら
ジャーナリストして冷静な目と同時に
人間としての優しさを合わせ持っている。
そんな彼の作品を文章を、もっともっと読みたかった。
たまたま手にした本であるが
懐かしさと同時に、久々に近藤紘一氏の文章に触れたくて
ついつい読みふけってしまった。
20年以上前に書かれている作品だが
今読んでも、当時の資料として優れた作品だと思う。