令和7年1月5日
さて、新年もはじまり5日目。長いと思った9連休もいよいよ最終日となりちいますが、本日はちい、しょう、カイが参戦し4人でのゲーム会です。とはいえ、午前中はいつものようにちいと2人でウォーゲームです。
☆バルジ20
○概要
作者:JosephMiranda
対象年齢:12歳以上
対象人数:2人
標準時間:60分程度
タイトル通り20ユニット程度のコンパクトさでバルジの戦いを再現したウォーゲームです。もともとはVictoryPointgames社から10年以上前に発売され今では入手困難となったタイトルをBonsaigamesさんがリメイクされたタイトルです。
①ゲーム開始時にドイツ軍は3つある目標から1つを選択します。
②ターンが始まるとドイツ軍、連合軍の順番に手番を行います。
③手番になるとまず増援をHQに配置します。
④手札の参謀カードを1枚ずつ任意の順に使用し、その効果を適用していきます。
⑤参謀カードは大きく部隊の配置等を変更する人事「G-1」、手札や秘密の目標を調べる諜報「G-2」、ユニットの移動や戦闘に関わる作戦「G-3」、戦略移動やユニットの再建に関わる「G-4」の4グループに分かれます。
⑥手番の最後に手札を補充します。この時、デッキを見て任意のカードを手札とできます。
⑦これらを両軍が行うと天候の変化、ターントラックの侵攻を経てターンが侵攻します。
⑧これらを繰り返し、8ターンが経過したところで勝利レベルを確認し勝者を決定します。また、ドイツ軍の目標によっては条件を満たした時点で勝利となります。
〇プレイ経過
管理人がドイツ軍を担当、ちいが連合軍を担当しゲーム開始時の様子です。中央左側のマップがメインマップ、右側のボードは戦闘処理用となります。マップ上には基本的に軍単位のユニットを配置し、それぞれの軍に含まれる軍団は衝立の中に秘匿します。
作戦目標は3つありますが今回は史実準拠でラインの守り作戦を選択します。この作戦は中央を突破し、アントワープやブリュッセルを目標とするため第6装甲軍に主力のSSを2部隊配備し先頭にたって突撃、第5装甲軍を徐攻にという作戦です。前進を開始しまだまだ連合軍の防衛線は薄くバストーニュの占領には成功しましたが、序盤からドイツ軍の出目が振るわず戦力比からすると損害をほとんど与えられておらず後ろへ押す格好となり、反対にちくちくと損害がかさんできます。
回復や再編で一時的に足を止めている内に連合軍には増援が到着し徐々に目の前の壁は厚くなり、第6軍はこれ以上の前進を阻まれ、第5軍はリエージュの攻略に失敗し主力の足が完全に止まってしまいます。
そうこうするうちに南側から米第3軍が到着します。機甲を中心に強力な戦力を率いる第3軍を相手に戦力の低下していた第6軍では歯が立たず大損害を受けて後退、そのまま国境まで押し返されます。
これにより勝利の目がなくなったためドイツ軍が投了、連合軍の勝利となりました。
〇評価
第二次世界大戦の欧州戦線におけるドイツ軍の最後の攻勢、通称バルジの戦いを戦略レベルで再現したウォーゲームです。
とはいえ、ユニットは基本的にOOBシート上に配置されてマップ上は軍単位(軍から分遣された軍団は単独でいるものの)で運用されるため、タイトル通りマップ上には多くても20ユニットほどしかおらず、ルール量、プレイ時間も含め非常にプレイアブルにまとめられているところは魅力といえます。ちなみに、コンパクトなゲームではありますが開始時に選択するドイツ軍の作戦目標に応じた対応、多彩な参謀カードによって展開に幅はありますし、秘匿されていることもあり軍の編成をどのように行いどこを攻めるか(もしくは守るか)という考えどころもしっかりとあります
また、特徴的なのは通常のカードドリブン系だと手札を山札から引いてそのまま手番が始まりますが、本作の場合手番の最後にカードを手札にします。しかも山札から引くのではなく山札から任意で選択するという流れになっており、実際にそれらのカードをアクションとして使うには相手の手番を挟み、その間状況の変化や対応として消費することもありえ、それらを踏まえた上でどのカードを備えておくかというのが悩ましくなっています。
大きく気になったところはなく、戦略的な視点でバルジの戦いの可能性を試行できる非常に面白いタイトルになっていると思います。
それにしても、規模にしてもテーマにしても様々な多作で知られるミランダ氏のタイトルですが、昨年にプレイした「ワーテルロー20(「自宅会 番外36」を参照。)」「Caesal LX(「自宅会587 後」を参照。)」といったコンパクト系はいずれも面白く本作も期待通りの面白さでした。反対にあまり規模の大きなタイトルをプレイしたことがないので、改めてプレイしたいと思えてきましたね。
続きます。