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Pythonの自動化でできることとは
Pythonは構文がシンプルで読みやすく、書きやすいプログラミング言語であるため初学者でも習得しやすい言語です。Pythonでは機械学習やデータ分析などさまざまなことができますが、会社で使う場合にはPythonの自動化ツールが活躍してくれます。
この記事では、Pythonの自動化でできることを1つ1つ詳しく解説していきます。そもそもPythonとはどういう言語なのか、どういった人に需要のある言語なのか、Pythonエンジニアの年収について解説します。Pythonを学ぶ初心者の方は、入門編としてぜひこの記事を参考にしてください。
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Pythonでできること8つ
Pythonはあらゆる開発やシステムの自動化を得意としています。ここでは、Pythonで自動化できることを8つまとめました。
Pythonは人工知能開発に使えることで有名ですが、人工知能とまではいかなくても、ちょっとした自動化ツールを開発するのにも向いています。これらのツールは個人でも作成することができるため、Pythonを習得済みの方はぜひ作ってみてください。
スクレイピング
Pythonで自動化できることの1つ目は、スクレイピングです。スクレイピングとは、Webサイトから情報を収集する作業のことです。Webサイトの中には毎日更新されるものもあり、更新される度に情報を手動で収集するのはかなりの手間です。そこでPythonを使ってスクレイピング作業を自動化させます。
PythonはWebサイトのHTMLコードを読み込み、分解して綺麗にまとめることができます。Pythonプログラムを毎日決まった時間に作動させるようにすれば、スクレイピング作業を自動化できます。
ExcelやWordの操作
Pythonを使って、ExcelやWordなどMicroSoft製品の操作の自動化も可能です。といってもPython単体ではこれらのアプリを扱うことはできません。Excelを操作する場合、「OpenPyXL」というライブラリが必要です。このライブラリをインストールすることで、Excelで表を作成したり、テンプレートからデータを作成したりすることが可能です。
また、「Python-docx」というライブラリを使うことでWordの操作ができます。Wordで文章を新規作成・内容を変更・画像の貼り付けが可能です。さらに2つのライブラリを組み合わせることによって、Excelの文章をWordに書き起こすなどアプリを跨いだ操作も行えます。
ブラウザ操作
Pythonによってブラウザ操作も自動化することが可能です。ブラウザ操作を自動化する場合は「Selenium」というライブラリを使います。Webサイトへログインしたり、フォームへ入力したりといった面倒な作業を自動化できます。
画像編集
Pythonでは画像編集のような複雑な作業も自動化可能です。画像編集を自動化する場合は「Pillow(PIL)」というライブラリが必要です。Pillow(PIL)を使えば、画像のサイズや色を変更したり、画像の容量を圧縮したり、といった作業が自動化できます。
画像編集を仕事で頻繁に行う場合は、Pythonによって業務効率化できるかもしれません。
メール関連
仕事で特定のアドレスに毎日同じメールを送っている方もいるでしょう。そういったメール関連の作業もPythonで自動化できます。「smtplib」や「imaplib」といったライブラリを使うことで、SMTPやIMAPのサーバに接続できます。メールを作成して送信するところまで自動化可能です。
また、Gmailを使う場合は専用のAPIを使う手もあります。GmailのAPIを使うことで、Gmailならではの機能をPythonに利用させることが可能で、さらに便利になるでしょう。
ファイル操作
*簡単なファイル操作もPythonで自動化できます。*Pythonには「OS」というライブラリが標準で用意されており、こちらを使うことで、ファイルの作成や削除といった作業の自動化が可能です。こういった細かい作業もPythonで自動化することで、業務効率化に繋がるでしょう。
PDF操作
PDF操作も自動化が可能ですが、やり方が少し複雑です。PDF操作を行う場合、「ReportLab」「PyPDF2」「pdfminer」といった複数のライブラリが必要です。
これらのライブラリを使うことで、PDFファイルを作成したり、ファイルから必要な部分のみを抜き出したりすることが可能です。難易度は若干高いですが、PDF操作を多く行う方は自動化してみましょう。
APIとの連携
APIとは、ソフトウェアの機能や情報を他のソフトウェアでも共有・連携させる仕組みのことです。例えばSNSを活用したい場合、他のSNSアカウントを連携させることでアカウントの登録が不要でログインできます。1つのアカウントで複数のSNSが利用できるようになります。
このAPIとPythonが連携することで、あらゆる作業の自動化を図れます。具体的には、これまでSNSなどで募集したアンケートの集計は人力で行っていましたが、これを自動化させ、加工を行うことで分析できる状態にできます。
Pythonの特徴
ここでは、Pythonの特徴とPythonエンジニアの年収について参考例を紹介します。
ライブラリの豊富さとコードの少なさが特徴的
Pythonの特徴は、「ライブラリが豊富なこと」や「少ないコードでプログラムが簡単に書けること」です。長いコードを記述する必要がなく、読みやすさや書きやすさを重視して作られた言語のため、誰が書いても同じようなコードになります。
また、汎用性の高いコードをまとめたプログラムをライブラリといいますが、Pythonには豊富なライブラリがあります。1から全て作成せずとも、ライブラリを自分のプログラムに落とし込むことで、効率的なプログラムの作成が可能です。
現在Pythonで公開されているライブラリの数は数万以上あるため、組みたいプログラムに合わせてライブラリを自由に選ぶことができます。
Pythonは初心者に人気の言語
Pythonは短いコードでの記述が可能、文法が覚えやすいなどの理由で初心者の方でも扱いやすい言語の1つです。数あるプログラミング言語の中でも文法が覚えやすいため、近年ではプログラミングの入門として小学生が学ぶことも増えてきています。
また、参考書の活用や自分でコードを読み書きするのはもちろんのこと、他の人が書いたコードを読んで勉強することもできるためさまざまな勉強方法があります。
Pythonエンジニアの年収
Pythonエンジニアには、Pythonを活用する「AIエンジニア」「Webアプリケーションエンジニア」「データサイエンティスト」などの職種があります。ここでは、データサイエンティストに近いアナリストの年収例を参考に紹介します。
「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は824万円(2024年7月時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、アナリストは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
このように、Pythonエンジニアはデータサイエンティストなどにキャリアアップすることで、高収入を得られる可能性が高まります。自分の特性や進みたいキャリア像を明確にし、スキルを活かした転職を行いましょう。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Pythonを使うメリット
Pythonを扱う場合、自動化するプログラムの開発に時間がかかってしまい、「ここまでしてPythonを使う必要があるのか」と思うこともあるでしょう。しかし、たとえ開発に時間がかかっても、Pythonを使うメリットは多くあります。
ここでは、Pythonで作業を自動化するメリットについて事例を参考にみていきましょう。
労働時間が短縮される
Pythonで自動化ツールを作成すれば、単純に労働時間が短縮されます。例えば、Excelに毎日入力する作業を自動化すれば、その作業は人間はやらなくて良い訳です。時間のかかる作業はPythonにやらせてしまうのが良いでしょう。
人的ミスを防げる
コンピュータは人間と違ってミスをすることがありません。そのためPythonで自動化ツールを作成することは、人的ミスの減少にも繋がります。例えば、Wordで請求書を作成する際、手動で入力すると金額などを間違って打ってしまうこともあるでしょう。Pythonは毎日決まった作業を行うため、間違えることはありません。
もちろんPythonプログラムにバグがあれば正しく動かないため、自動化ツールを運用するまでに正しく動作するかの確認は必要です。
つまらない作業をやらなくて良くなる
面倒な作業を自動化することで、コア業務に集中できるようになります。仕事に直接関係のない雑務が多すぎて、やりたい作業に集中できない、という方は多いでしょう。毎日決められた作業を淡々と行うのはつまらないものです。つまらない作業は、Pythonに代行させることを試してみましょう。
不労所得を得られる可能性もある
Pythonで自動化ツールを作ることで、不労所得を得られる可能性もあります。例えば、PythonでFXやビットコインの自動売買ツールを作成することも可能です。こういったツールを開発すれば、全く手間をかけずにお金を得ることもできるでしょう。
もちろん、こういったツールの作成にはかなりの技術と知識が必要です。プログラミングのスキルだけでなく、仮想通貨などの知識も必要であり、初心者がいきなりこういったものに挑戦するのはおすすめできません。ある程度ツールの作成になれたら、チャレンジしてみるのもおすすめです。
また、このような自動化ツールの作成スキル以外の知識などは転職時にもアピール材料として有効です。Pythonエンジニアは需要があるため、上記のようなスキルは歓迎されるでしょう。
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Pythonを活用できる仕事
Pythonを活用できる仕事にはさまざまな職種があります。以下に5つまとめたので、参考にしてみてください。
Webアプリケーションエンジニア
主要なWebブラウザで利用できるアプリケーションを開発する仕事です。(メール・SNS・オンラインショッピングアプリなど)また、限定的に使う企業系アプリケーションの開発も行っています。
人工知能(AI)エンジニア
AIの開発・AI機能学習・分析といった仕事がメインです。その他にも、AI関連の教育現場や大学や研究所のAI分野などでも活躍します。
データサイエンティスト
アルゴリズムや統計などを活用して、さまざまなデータを収集・分析する仕事です。分析した結果をビジネスにどう活用するのかを提案し、企業の抱える問題解決のために役立てます。
Pythonエンジニア
Pythonで作成されたアプリやWebサービスを担当する仕事です。業務は多岐にわたり、コーディングやPythonを使ったデータ解析なども含まれます。
マーケティング
前述の通り、ルーチンタスクの自動化やデータ解析・可視化を行うことで顧客へのさまざまな提案が可能になります。マーケティングには市場のデータ収集や分析が必要不可欠なため、データサイエンティストと通じる業務があります。
Pythonを活用できるようになると、Pythonエンジニアとして就職の可能性が広がるでしょう。しかし、実務経験が足りない場合、普段からプログラミングの勉強を続けるなどしてキャッチアップに励み、入社後に活躍できる人材だとアピールすることが欠かせません。
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Pythonでの自動化を行うのに必要な知識
最後に、Pythonを行うのに必要な知識を解説します。Pythonでスクレイピングを行ったりExcelの操作を行ったりするのに必要なスキルをまとめました。自動化ツールを作成する前にこれらも勉強しておくと、ツールの作成がスムーズになるでしょう。
Pythonの文法
まず必要なのは、Pythonの基礎的な文法の知識です。Pythonでループ処理や条件分岐、入出力など基礎的なことができることが必須です。Pythonの文法はProgateやドットインストールなどの学習サイトで、時間をかけずスピーディーに学ぶことが可能です。
Pythonは言語の中では簡単な分類のため、エンジニア経験者なら独学で習得できるでしょう。
また、スクレイピングなどを行う場合、upperやstrip、replaceなどの文字列処理のメソッドを多く使うことになります。これらのメソッドの使い方にも慣れておくと良いでしょう。
ライブラリの知識
Python単体だけでは、自動化できないこともあります。例えばExcelの操作には「OpenPyXL」、ブラウザ操作には「Selenium」というライブラリが必要です。これらのライブラリを使いこなすスキルも必要です。
ライブラリはインストールして実際に使いながら覚えていきましょう。また、大抵のライブラリは検索すれば、使い方をまとめたサイトがヒットするので、それらを参考に習得してください。
HTMLやCSSの知識
HTMLやCSSの知識も自動化ツールを作成する上であった方が良いです。自動化ツールを自分で使う分には良いのですが、外部に公開する場合は、綺麗な見た目に整えた方が使ってもらいやすくなります。
HTMLやCSSを使うことで、アプリの見た目を整えることが可能です。HTMLやCSSもPython同様Progateやドットインストールで習得できます。HTMLやCSSはそこまで難しくなく、エンジニア経験者ならすぐ習得できます。
統計・数学の知識
Pythonでさまざまな業務の自動化を図るなら、統計学や数学の知識は欠かせません。データの分析・解析を行うには、ベースとなる統計学の知識を活用し、さらに線形代数・数理統計学・微分/積分といった数学の知識も必要です。
また、Pythonは統計解析に役立つNumPy・SciPy・Pandasなどのライブラリが豊富であり、収集データの分析・可視化が簡単に行えます。こういったPythonのライブラリは、AIや機械学習などで数多く利用されています。
機械学習・人工知能(AI)の知識
機械学習とは、人間の学習と同様の機能をコンピュータで実現するための技術のことです。コンピュータに大量のデータを与え、指定したアルゴリズムに従ってデータの特徴を発見させたり、その特徴からコンピュータが推論や判断を行ったりします。
人工知能(AI)とは、ニューラルネットワークという人間の脳の働きを模した仕組みを発達させることです。推論や認識といった人の知能に近いものを発現させ、その結果として会話ができるようになります。
機械学習は人工知能による学習であり、学習を進めることでさまざまな業務の自動化が可能です。
Pythonで自動化する際の注意点
Pythonはあらゆる業務の自動化を行えて便利ですが、その反面自動化を行う上での注意点があります。ここでは、Pythonの自動化で注意したい2つのことについて説明します。
目的によってバージョンが異なる
Pythonのバージョンはさまざまなものがあり、それぞれには互換性がありません。そのため、使用目的によってどのバージョンにするか決める必要があります。自動化にあたり、Pythonでどういった作業を行うのか、どのライブラリを使用するのかなどを明確にさせた上でバージョンの指定を行いましょう。
セキュリティ面を確認する
Pythonを活用するにはPCへのインストールが必須ですが、企業によってはセキュリティ面の観点より、外部ソフトのインストールを禁止にしている場合があります。その場合、自動化を図る前にそもそもPythonをインストールできないという状況になりかねません。
Pythonをインストールする際は、まずは自社のルールを確認し、インストールの可否について相談・報告を行いましょう。
Pythonを使って作業効率化を図ろう
本記事では、Pythonの自動化でできることについて解説しました。Pythonの特徴や使用することでどういったことができるのかが分かりました。
Pythonは学習コストが低く、初心者でも扱いやすい言語であるため、ちょっとした作業を自動化するのにも多く使われます。本記事で紹介したものの中に「便利だな」と思うものがあれば、ぜひ自動化ツールの作成にチャレンジしてみてください。
また、自動化ツールを開発すれば、転職時の面接でも制作物として提出できます。実際に制作物を見せれば、自分の技術レベルを分かりやすく伝えることができ、転職成功確率がアップします。「Python」で求人を検索すると、かなりの数がヒットするので、企業選びに苦労するかもしれません。
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