「これが有名私大の職員の年収だ!」(d:id:daigaku-syokuin:20090531)という記事が200overのはてブを集めていて「私大職員給料もらいすぎ」論調が出てきているので有名じゃない私大職員の年収もあげてみたいと思う。
ソースは2008年度春闘資料。2009年度版はもらった記憶はあるんだけどどっかいった。
今回はこの中のポイント年齢別年収のうち35歳職員(配偶者1・子2)・45歳職員(配偶者1・子2)・55歳職員(配偶者1・子1)のいずれも大卒職員を記述する。
いわゆる早慶上智・MARCH・関関同立以外は無名として扱っているので、自分の大学が入っていても怒らないでほしい。
大学名 | 35歳 | 45歳 | 55歳 |
---|---|---|---|
関東学院 | 6,677,880 | 8,007,705 | 8,700,285 |
国士舘 | 8,124,176 | 9,575,120 | 10,141,208 |
東京経済 | 8,447,970 | 10,342,020 | 10,982,520 |
獨協 | 8,087,664 | 10,239,228 | 11,251,838 |
神奈川 | 8,055,600 | 10,244,400 | 11,166,000 |
大東文化 | 8,096,376 | 10,641,966 | 11,876,194 |
駒澤 | 8,917,960 | 11,666,160 | 13,116,700 |
明治薬科 | 7,019,204 | 8,809,156 | 9,379,004 |
工学院 | 7,368,980 | 9,105,280 | 10,095,150 |
東京工芸 | 7,665,462 | 9,217,546 | 9,603,126 |
駒澤がネ申です。(でもデリバティブで大赤字出しているんで、今年はどうなるかわかりませんが)
他の大学も世間一般の中小企業に比べたらいい方です。(あれ?私大職員の給料高くない!という主張をするはずが)
ICU(国際基督教大)とかは、知名度の割に年収は低かった気がするんですが、今回の資料には載っていませんでした。
ただ、お給料がいいから私大職員目指すというのは考え直した方がいいかもしれませんよ。
一般企業でしたら、給料特に賞与というのは日本やその企業の景気に左右されますが、大学の場合ほぼ固定です。
それがここにきて、あちこちの大学が一時金・期末勤勉手当(賞与)の切り下げにかかっています。
景気が回復したり、志願者増になったら元に戻るのならいいのでしょうが、それはないでしょう。
実際、バブル期に証券会社が2桁月分の賞与を出していた時も多くの大学は5か月とか6か月とかしか出していません。
理事会(経営者)は、給与引き下げは簡単に行いますが、引き上げ(あるいは戻す)はそう簡単には行いません。
欝・統合失調症などで休職したり辞めてしまう職員が多くいます。
終電続きで朝奥さんが起こしに行ったら冷たくなっていたということもありました。(これは肉体的要因も入ってきますが)
大学には教授や准教授がいます。彼らは教員ですが、何かと事務の仕事にも口を出してきます。
手伝ってくれるのならまだいいのですが、散々かき回した後の始末は職員がやらなくてはいけません。
そして少なくない教授が、職員を自分たちより一段階劣った人種と見ています。小間使いと勘違いしている人もいます。
彼らは職員より高い給料をもらい(45歳教授-職員の差が100万~200万程度なので議論の余地はありますが。あと、教員は研究費を給料とは別に使えます)、しかも博士号や博士課程満期退学という学歴を持っているからです。
パワハラまがいの事を行っても、よほどひどくなければ問題になりません。
なぜなら、彼らは自分の主張を教授会で思う存分主張することができるからです。教授会で決めたことを理事会が簡単には否定できません。
教授会で自分の主張を通し理事会に突き付けることができるので、組合活動に参加する必要もありません。
理事会の優越などというのは、お伽話か一部のレアケースです。
※そして、教授会に参加できない講師や助教、非常勤教員の給料は低く抑えられます。
国会待機で深夜まで待たされたり、膨大な資料を明日までに用意しろと言われる公務員の皆様には心より同情します。
最近はモンスターペアレント(モンペ)が大学にも進出しています。中高と違い親子揃ってモンスターということも珍しくありません。
ただこの点は、入学時にある程度フィルタ(ザルですが)を通しているので、市役所なんかよりはマシです。
公務員や大企業のホワイトカラーの皆さんは、土日祝日がお休みが基本です。刑務所もそうです。
でも、私大の場合はまだ多くの大学で土曜日は出勤日です。よくて隔週土休です。
はっきり申しあげまして、日曜だけですと寝て休んで1日が終わります。
勤勉手当を支給するのに、上司による評価を用いる大学もありますが、往々にしてみんな仲良く(5段階の)3とか、あるいは上司の主観(好き嫌い)です。
そもそも営業などと違って成果が数字に出ませんので、評価のしようがありません。
結果、問題を起こさなければ毎年昇給していきます。
基本、減点評価です。
冒険をせず、革新的な提案もせず、上から下りてきた仕事をこれまでと同じよ~にこなす人が無難に昇給します。
そして、「ExcelやAccessも使えず憶える気もなく、文科省に出す書類を書けるわけでもなく、一日の大半をネットサーフィンやお茶や世間話に費やしながら年収1千万というおじさん・おばさん」が生み出されます。
彼らは何か凄まじい業績を残して今の地位を得ているわけではありません。
大きな失敗をしなかった、挑戦をしなかったから年月を重ねて今の地位にいるのです。
……つまらないでしょう?そんなの。
いわゆる仕事のできる人に仕事が集中します。でも見返りは残業代くらいしかありません。
人に仕事を投げる人、人をアテにするのが上手な人が最も得をします。
ああ、あと窓口に座っているのが職員の全てと思わないように。
窓口で学生対応をする人のほかにも、経理とか人事とか、広報とかの分野も職員の仕事です。
コンビニでもレジに立っている人の他に、本部に経理もあるし人事もあるし、マーケティングやっている社員もいますよね。それと一緒です。
(そして、大学でも窓口とかは非正規職員にシフトして、正規職員の採用を抑制しています。)
ついでに、地方の定員割れ起こしてるような大学だと、もっと低いです。専門学校とかも同様。
これだけ読んでもやっぱり「充分過ぎるほどに楽してバカ儲けじゃないか、会社員なめんな」と思うのは、実際に私大に勤める知人(定時退社がデフォの駒澤大学勤務)がいるからだろ...
http://anond.hatelabo.jp/20090602005732 の増田です。 前回は無名大学と銘打った割には微妙に名は知られている大学だったので、今回はもっと色々な大学が載っている資料を持ってきた。つい...
http://anond.hatelabo.jp/20090602005732 駒澤の年収が神待遇なのは、業界では有名です。 他に収入上位にあげられるのが明治や中央。 この3大学は夏期休暇も多いし、同じ業界から転職をねらっ...