オフィスに必ず常備されている輪ゴム。その使い道についてはわざわざ説明するまでもないだろう。一般に輪ゴムというと直径5cm弱で細いものが頭に浮かぶが、文房具店に行くと幅広のラバーバンドを始めさまざまな幅や長さのものがある。これらを用意しておくとさらに色々な場面で重宝する。
さて輪ゴムの代表ブランドと言えば、大正から続く老舗ゴム総合メーカーである共和の「オーバンド」。老舗の代表商品らしく、クラシカルなパッケージデザインがとにかくいい。感心のあまり少々調べてみたところ、このパッケージはメンソレータムのリトルナースや南海ホークスのマークなどもデザインした、今竹七郎という昭和を代表する商業デザイナーの手によるものなのだとか。納得の話である。
ちなみにオーバンドの標準パック(100g)は一般的に使われる18番サイズ(折径:内周の半分の長さ=70mm)で約585本、お値段は約300円。1本1円しないとは、なんだかすごいコストパフォーマンスである。
さて今回紹介する「RUBBER X-BANDS」は単純な輪っか型ではない“変形”輪ゴムの一種である。実はオーバンドにも輪の一方が耳のような形状になっている「たばね」と呼ばれるタイプがあり、対象物に巻きつけて耳の部分をひっかけて留めることができ、長尺のケーブルや棒などをまとめるのに大変便利である。
RUBBER X-BANDSはこのアイデアをさらに推し進めたものと言える。H型にカットされた幅広のゴムバンドで、2本の輪ゴムが両端でくっついたような形状となっている。特に本やCDなどの広い面積のものをまとめるのに最適で、X状にひっかければものすごく安定する。また滑りがちな球形のものでも安定して保持できる。ちょっとしたアイデア商品ながら、パッケージにMoMAのロゴがあるようにニューヨーク近代美術館の公式グッズでもあり、確かにデザイン的に見てもかなりしゃれている。
問題は価格面で、16本入りで525円(1本あたり32円)。コストパフォーマンスでは普通の輪ゴムとは比べるべくもなく、常用/使い捨てするにはやや厳しいものの、常備していれば必ず活用できるはず。さらには、そのしゃれたカラーとデザインを活かし、気合いを込めて提出する各種資料や書類を留めるのに用いれば、相手への印象アップが期待できるかもしれない。