オフィスや家庭に必ずあるガムテープ。荷物の梱包やちょっとした補修、とりあえず何かをくくり付けたいときなど、なにかと重宝する存在だ。しかし、それよりもっと万能な粘着テープがアメリカにあった。それがダクトテープ(Duct tape)、もしくはダックテープと呼ばれるものである。日本ではあまり知られていないかもしれないが、オフィスにぜひ常備したい逸品である。
さて少し戻ってガムテープの話をすると、日本では一般にガムテープというと粘着テープ全般を指すが、紙製の茶色いものの印象が強いかもしれない。実際には素材によって分類でき、紙製のものはクラフト粘着テープ、布ベースのものは布粘着テープ、樹脂系だとOPPテープといった名称で何種類もある。
紙ベースの“ガムテ”は段ボールの梱包や包装程度であれば十分な強度を持つが、力の入れ加減では千切れてしまうこともある。そこで、もう少し強度が欲しいときには布ベースのもの、透明度が欲しいときにはOPPテープといった具合に、用途に合わせて数種類の“ガムテ”を常備しておくと利便性は高まる。でも前述のダクトテープ(ダックテープ)なら、かなりの確率で1本で済んでしまう。
もっともダクトテープと言われても、ピンとくる人は日本にはあまり多くないかもしれない。でも、アメリカの映画やドラマで、被害者が“銀色のテープ”で後ろ手に縛られたり、さるぐつわ代わりに口に貼られているシーンが記憶に無いだろうか。あの銀色のテープがダクトテープなのである。そして、アメリカ人はこのダクトテープをなぜか深く愛しているようである。その様子はネットで検索してみればすぐわかる。
たとえば、庭の木を誤って折ってしまったところ「ダクトテープで直すから」と言われてグルグル巻きにした、ダクトテープでウェディングドレスを作った、いぼにダクトテープを貼ると直ると信じられている(実際にダクトテープの絆創膏まで存在する)、などなど。さらにはダクトテープの活用法を収集したサイトがあったり、英語版ウィキペディアの「Duct tape」の記事の長さなどからもその人気がうかがえる。