「サイボウズはGoogle Appsに競合して食われていくところで、今後の戦略は? マイクロソフトと一蓮托生か?」との質問がTwitter上から流れる……。サイボウズは、「統合ソリューション戦略発表・決算説明会」を開催。Ustreamにて中継し、Twitterでの質問を受け付けた。
ドキっとするような、でもナルホドと思われる質問がTwitterから流れた。昨今サイボウズモバイル KUNAI(関連記事)など次々と製品をリリースし、マイクロソフトのSharepoint Server用アプリケーションの投入を明言(関連記事)しているサイボウズの現状をきちんと把握しての質問だけに、的を射る質問である。
この質問に、サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏自身が答えた。青野氏曰く「危機感は大きく感じている。サイボウズ Live(関連記事)には、そういう背景もある。しかし、グループウェアの世界は、専業だからできることがあり、我々はグループウェアの総合ソリューションを目指している。マイクロソフトとの話もその一環です」と明確に答えた。グループウェア専業企業による統合ソリューション――まさに本日の発表のテーマである。
青野氏が掲げるサイボウズの戦略は、「統合グループウェア」。これは、サイボウズ Officeを中心に、「場所」、「人」、「用途」のいずれをも問わないグループウェア(製品群)を構築しようというもの。グループウェア専業として発展してきた同社が、
「グループあるところにサイボウズあり
サイボウズあるところにチームワークあり」
というビジョンを実現するためものだ。
「場所」については“使える場所を増やす”ということで「サイボウズモバイル KUNAI」に象徴されるスマートフォン対応をし、「用途」に関しては“使える用途を増やす”ということで、データベース製品サイボウズ デヂエベースのSaaS「サイボウズ かんたんSaaS」を、「人」に関しては“使える人を増やす”ということで「サイボウズ Live」を配してビジョンの実現を目指す。
ただし、これだけでは単なる製品のマッピングをしただけに過ぎない。サイボウズは今年、「大公開時代」と銘打ち、次々と新製品(バージョンアップ製品)をリリースする。既存製品の機能強化と新製品によって、より強固に統合グループウェア戦略を推し進めるかまえだ。
サイボウズが大公開時代に突入
青野氏が示す「大公開時代」と題された資料では、前述した製品のほかにSharePoint Server版のグループウェア(製品名は未発表)や、サイボウズ ガルーンの負荷検証ツール「ScaleBench」、中国で展開する日中英語対応のグループウェア「弁公系統」のほか、「?」でぽつんと示された新製品の存在を匂わせている。これらの製品が今後連携をより深めていき、統合グループウェアの世界を広げていく予定となっている。
そして、今年の目玉はやはり、サイボウズ Officeの新しいバージョンになるだろう。青野氏は、今はまだ発表できる段階ではないとしながらも、チームタスク管理やその共有を目指した製品にしていくと語った。今後のスケジュールとしては、新バージョンを出す前に、まずはサイボウズモバイル KUNAIに対応したサイボウズ Officeを登場させ(現在のKUNAIはガルーンのみの対応)、その後新バージョンの投入という段階を踏むという。