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Web制作におけるリスクとは、トラブルとなり得るさまざまな事象のことです。制作したWebサイトに関するものでは、表示崩れや記載間違いなどが挙げられます。それ以外にも、リソース不足やスケジュールの遅れ、サーバー設定のトラブル、クライアントの確認の遅れなど、さまざまなリスクが数多く存在します。
しかし、そうしたリスクは事前に予測し、予防策を実施したり用意した対応策を迅速に実行したりすることで、トラブルを起こさない、あるいは被害を最小限に防ぐことが可能になります。
リスク管理の方法
リスク管理とは、予想されるリスクを事前に洗い出し、それらに関する対策(計画)を検討しておくことを指します。具体的な手順としては、プロジェクトの開始時にまずディレクターが中心となって、マインドマップやブレインストーミングなどでリスクを洗い出します。ディレクターだけでは時間もかかり漏れも生じるため、できるだけ制作スタッフ全員で検討するようにします。
洗い出したリスクは、リスク管理表を作成して、重要度(優先度)を付けて整理します。その上で、各項目の対応策(計画)を考えて、管理表に記入していきます。
リスク対策の基本は、「回避・軽減・転嫁」の3つです。回避とはリスクを無くす方法で、たとえばスケジュールの遅れには、スケジュールを延ばすなどの方法があります。軽減は、表示確認の徹底などによる品質の向上でリスクを軽くする方法です。なお、転嫁はあまり一般的ではありませんが、たとえば保険を掛けてリスクが発生した際の影響や責任を他に移す方法です
。ディレクターは、制作進行中、作成したリスク管理表を確認して、予測したリスクが発生していないかを随時チェックします。もし発生した場合には、計画のとおりに対応しましょう。事前にリスクを予測し対応計画を立てておくことで、スピーディな対応が可能になります。
一般的なリスク対策も徹底する
リスク管理には、すでにフォーマット化されて標準的な作業フローの中に組み込まれているものも数多くあります。たとえば、確認漏れのリスクを防止するものとしては、ヒアリングシートやページの確認に用いるチェックシートなどが挙げられます。他に、コミュニケーション計画書や課題管理表、WBS、ガントチャートなども、適切に運用することでリスク管理に役立ちます。
プロジェクトの進行や管理に関わるシートの類は、経験を積んだディレクターであればある程度省略が可能です。しかし、リスク管理の観点からはチェックシートやガントチャートなどは、省略せず適切に利用することが望ましいと言えます。
著者:エレクス株式会社
“ソフトウェアにおける真のサービスを提供する”ことを第一の目的とし、情報技術に特化した会社として1993年に設立。システム開発、パッケージソフトウェア開発、Webサイトデザイン構築・運用業務から、最近はスマートフォン・タブレットアプリやARコンテンツ開発を展開。今後は、“CSP(Cloud Solution Provider)”として、クラウドを活用してお客様のニーズに最適なソリューションを提供し、さらなる情報化社会の発展に貢献します。