吊りあがった眉とドヤ顔が男前!!
黒豹ミク(作者:マシシPさん 原案:黒豹Pさん)
黒豹Pさんのイラストをベースに、マシシPさんがMMDモデル化。一言でいうと宝塚男役のような「男前」で、吊り上がった眉とドヤ顔、昭和の香りがするステージ衣装など、あらゆる点でほかのミクモデルと一線を画す。「【第5回MMD杯本選】 想い出ぼろぼろ スナック初音版」のような昭和の歌謡曲を歌わせるなら、もはや彼女以外は考えられない。
興味を引くのは、3D化された経緯だ。初出は、杉良太郎の名曲を初音ミクに歌わせて、2010年4月5日に投稿した「【初音ミク】君は人のために死ねるか」。そのミクのかっこよさに感動したマシシPさんがすぐに3D化して、4月18日に「【MMDモデル紹介】黒豹ミク【マシシ】」を投稿。4月27日にすぐに映像化されるという驚きの速度でネタが消化されていく。まさに暇を持て余した神々の遊びといったところ。
ジェバンニが2週間ぐらいでやってくれました |
昭和のかほりがよく似合いますな |
長い体を巻きつけて捕食する初音ミク(!?)
びょーんミク(作者:まままさん、マシシPさん)
初音ミクの二次創作では、ときどきとんでもない怪物が生み出される。今年3月にいきなり現れた「びょーんミク」もそのひとつ。ミクと認識できるのは髪ぐらいで、大半が肌色の細長い体だ。「捕食ミク」という呼び名もあるように、どうも蛇のように体を巻き付けて食べるためらしい。こちらもルーツはとあるイラストで、まままさんがかわいいと気に入ってモデリング。マシシPさんがMMD用にセットアップして晴れて「【MMD】びょーんミク【モデル配布】」でお披露目された。
個性派ミクは「クリーチャーミク」とも呼ばれており、一時期流行してMMDでも数多くのモデルが作られた。今年6月までの分は、ログナーPさんがまとめた「【MMD-OMF2遅刻】ミク騎士団新メンバー(11-06-13?12-06-19)【グリーンレフト】」でぜひチェックしてみよう。
一見、ふしぎ生物ですが、慣れるとかわいい(はず) |
ダンスさせることもできます。ええ、ダンスです |
筆者の独断と偏見で選んだお気に入り(紹介文も長いです)
しゅしゅミク(作者:Dr.Tさん)
ラストは、筆者イチ押しの「しゅしゅミク」。「( ' ω ' )」のようなシンプルな顔、緑というよりは水色の髪、3頭身というユニークなモデルだ。とにかくすごいのは、ミクとは関係なく作り上げられた独自の世界観だろう。初出は2011年3月に投稿した「みくさんしゅしゅ」で、生みの親であるDr.Tさんが自分のPCが壊れた際、なぜか思い浮かんだ様子をそのまま動画にしたという。その後に公開した「みくさんしゅしゅ2」や「みくさんしゅしゅ3」といったシュールな動画でファンが急増。この時点ではまだイラストだったが、Dr.TさんがMMD化して4月にモデルを公開。5月にはドリフターズの『8時だョ! 全員集合』で使われていた早口言葉の曲(原曲は『DON'T KNOCK MY LOVE』)をアレンジしたテーマ曲を公開して、着実にしゅしゅワールドを地固めしていく。
一連の流れで、基本「しゅしゅ」としか話さない、「最速の歌姫」とよばれるほどめちゃめちゃ動きが速い、キメのシーンでは「テーレッテレー」というSEが鳴る──といったお約束も生まれた。そんな面白くて、わかりやすいネタを見つけたら、ニコ動の「神々」が乗ってこないわけがない。11月に開催された、しゅしゅミクをテーマに30秒以内の動画を作る「しゅしゅミク選手権」では、笑いあり泣きありの名作が90本近く集まった。30歳以上なら「ファミしゅしゅタ」や「スーパーしゅしゅブラザーズ」は、確実に声を出して笑える(まとめ動画はこちら)。何でもネタにする精神は健在で、しゅしゅミクの動画に「うれしくないパンチラ」というタグが付けば、セクシーな「大人しゅしゅミク」を派生させるなどもはや誰にも止められない状態に。今後どう発展していくのか目が離せない!!
すべての(しゅしゅ)伝説はここから始まった |
かつてこれほどの“おっさんホイホイ”があっただろうか |
© Crypton Future Media, Inc. www.crypton.net
(次回はいよいよ本選がはじまったMMD杯、過去の受賞者たちのインタビューを一挙掲載予定!)
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