すり替え、詭弁、責任転嫁---借金を6兆円に膨らませても「改革者」に納まった橋下前大阪府知事「最強」の言論術を検証する 前回の記事はこちらをご覧ください。 [取材・文:松本創] 橋下徹・前大阪府知事の3年9ヵ月間で、府の財政は何ら改善されていないばかりか、借金(府債残高)は過去最高の6兆円超に膨らんだ---という「改革」の実態を前回記事では示した。しかし、そのこと自体は驚くに当たらない。大阪府は長年、景気低迷や企業の流出による税収減に悩まされてきた。大阪経済の長期低落傾向は1970年の大阪万博からとも言われている。いくら歳出を削減しても将来の負担は増すばかりという、府が陥っている負のスパイラル状態は、1期4年にも満たない在任期間で抜け出せるほど簡単なものではなかった、という話だ。 驚くべきはむしろ、そうした事実にもかかわらず、橋下がさも財政再建を成し遂げたかのように振る舞い、世の中にもなん