ニューヨーク・タイムズが "keenly awaited"(強い関心と共に待たれていた)と表現していた安倍首相の「戦後70年談話」ですが、私は「上出来」だと思いました。何よりもこの談話に期待されていた内容、つまり「4月の首相訪米以来の日米の良好なムードに水を差さない」、「9月以降の日米による中国との関係改善外交を妨害しない」、「日韓相互の関係改善模索外交に新たな障害を作らない」という3点がカバーされていたことは評価できます。 談話そのものについては、エコノミストの吉崎達彦氏がブログ『溜池通信』の中で以下のような評価をしていますが、私はこれにほぼ同意します。 「これが閣議決定されたことで、向こう10年くらいは右の側から歴史認識問題で現状に挑戦する人は現われなくなる」 「これで日本国首相の歴史認識は『村山談話(1995年)と安倍談話(2015年)の中間のどこかにある』ということになり、それは『