関西国際空港から橋を挟んだ対岸の街、りんくうタウンに、がん患者がひっきりなしに訪れる専門病院がある。その名は「ゲートタワーIGTクリニック」※。血管塞栓という医療技術を駆使したがん治療で内外に知られる病院だ。 ここには、日本はもとより、中国、東南アジアを中心に海外からも多くのがん患者がその治療を求めてやってくる。りんくうタウンは、国際医療交流の拠点をつくる計画で平成24年3月に政府から地域活性化総合特区の認定を受けたが、同クリニックはその中核を担う存在となっている。 院長の堀信一氏は、【1】先端治療の現場に立つエキスパート、【2】治療に使う材料の開発者、【3】高額の設備投資を伴う病院経営者という、三つの顔を合わせ持っている。ここでは、堀氏に、血管塞栓によるがん治療の現在と、先端医療経営のコンセプト、さらに、世界に開かれたがん専門病院についてのユニークな構想を伺った。 (聞き手は高山 和良)