ビール日本一はキリンなのかアサヒなのか。統計ごとに違うトップの座。それだけ2社がはげしく競っていることが背景にあるのだろうが、消費者には極めて分かりにくい。 ビール大手各社の2009年のビール類(発泡酒、第3のビールを含む)「出荷量」市場シェアは、キリンビールが37.7%で、アサヒビールの37.5%を僅差で抑えて9年ぶりの首位となった。これより前、各社が既に発表した「販売数量」ではアサヒが小差で首位を守っているが、販売先の決まっていない在庫分を含む課税数量という業界の「公式統計」ではキリンが上回った。 「第3のビール」キリンの戦略が勝利 両社の面子をかけたシェア争いが2つの統計の首位が違うという異例の結果に結びついた格好だ。ただ、両社の「勝敗」は別にしても、ビール類市場全体で通常のビールよりも価格の安い「第3のビール」の比率が高まる中、同分野に広告宣伝費などを集中投入してヒット商品を育てた