欧州連合(EU)が中国に対しこれまで以上に厳しい新たなアプローチを始めている。背景にあるのが、中国政府の貿易慣行が欧州の基幹産業に重大な脅威をもたらし始めたというフランスの懸念だ。 EUの対中強硬スタンスの形成に重要な役割を果たしているのがフランス政府だと、同国の考えをよく知る関係者は指摘する。今何もしなければ、EUの域内経済は長期的なダメージにさらされる方向に進むと仏政府は警戒している。 欧州は約10年前、中国からの安価な輸入品流入によって太陽光発電関連の生産が大打撃を受けた。匿名を条件に述べた複数の当局者によれば、念頭にあるのはこうした状況が再び起き得るとの懸念で、当局者の1人は欧州の自動車業界が同じような道をたどる恐れがあるとみているという。