なんかガッカリした。 当時の彼は、他人と違う自分でいたいという鋭さ、自分と世界の折り合いをどう付けるか考えて生き辛そうにしてるところがとても魅力的だった。わがままさとかイタさも表裏一体だったけど。触発されるところがあって一緒にいて面白かった。好きな映画や音楽や芸術について一晩中喋ったり、ニュースについて馬鹿みたいに真剣に話し合ったり。 でも今は変わってた。話してて良くも悪くも普通の人。楽しい大学生活を送った鈍感な同い年の男の子って感じ。 本人は生きやすくなったんだろうと思う。 彼と別れたあと何人かの人と付き合ったけど猛烈に好きって気持ちにはなれなくて、一生あの人が忘れられないのかなって引きずってたけど全然ときめかなくてガッカリしたと同時になぜかほっとした。 これからあの時くらい一緒にいて面白くて猛烈に好きになれる人と出会えることってあるのかなと考えるとすごくさびしい。