企業で働く若手社員の中に、「新型うつ」と呼ばれる心の病が流行っている。この病気の難点は、患者が周囲の理解を得にくいことだ。職場でうつ状態になって仕事を休んでいるのにプライベートでは元気に遊び回る患者の姿を見て、上司や同僚は「仮病ではないか」と不信感を露にする。しかし患者自身は、得体の知れない気分の浮き沈みに苦しみ、疲弊している。職場を混乱させる「新型うつ」の正体とは何か。パニック障害の第一人者として、多くの患者を治療してきた貝谷久宣・医療法人和楽会理事長は、「メディアで新型うつと呼ばれる病はうつ病ではない」と持論を展開し、医療現場や企業の職場に蔓延する誤解に対して警鐘を鳴らす。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也) かいや・ひさのぶ/医療法人和楽会理事長、特定非営利活動法人 NPO不安・抑うつ臨床研究会代表、社団法人 日本筋ジストロフィー協会理事長。1943年生まれ、愛知県出身、名
