4月の大学はフレッシュマンであふれている。彼らの颯爽(さっそう)とした姿を見るのは楽しい。大学院とて例外ではない。大学を出て、あるいは企業や自治体から受験して合格し、修士課程に籍を得たときの感慨は、学問の府で研究できる喜びに満ちているといえよう。 学問の府ということでいえば、その頂点に立つのはやはり東大ということになるだろう。だが、その東大大学院から長く締め出されてきた職業がある。それは自衛官である。 東大の大学院は、公務員はもちろん、企業からも海外からも院生を受け入れてきた。しかし、自衛官に関しては、その門を閉ざしてきた。東大はその理由を明らかにしていないが、自衛官を拒否する一部の特定イデオロギー思想の個人や集団の圧力に屈してのことと想像できる。教授が入学を認めても、事務当局の反対で実現しなかったケースもあったという。 大学院の入試は研究科ごとに行われるし、合否は研究科ごとに決定し、内容